2022 Fiscal Year Research-status Report
線虫を用いたCNOT2遺伝子の正常神経発生における役割解明
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20K16866
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
上原 朋子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 遺伝子医療研究部, 非常勤研究員 (30767124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CNOT2 / 機能解析 / 先天異常症候群 / 知的障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規の知的障害症候群の原因であるCNOT2遺伝子の機能不全により生じる病態について解明し、CNOT2 の正常神経発生における役割の解明を目指している。複雑な神経回路を有するヒトで、その詳細を研究することは極めて困難である。そのため、ヒトの神経発生等の研究に適しているモデル生物である C.elegans を用いて研究を行う予定であった。 C.elegansにおけるCNOT2ホモログであるntl-2遺伝子の発現パターンを調べて組織ごとのプロモーターを同定し、組織特異的にntl-2遺伝子発現を欠失させたモデル生物を作製する方針であった。しかしながら複数回実験したが、ntl-2遺伝子の組織毎のプロモーターの同定は困難であった。 そのため方針変更せざるを得ず、今後は培養細胞を用いて解析を行うこととした。 培養神経細胞に患者と同様の変異を有するCNOT2遺伝子を導入し、表現型を確認して野生型CNOT2を導入した場合との差を比較する方針とした。結果をもとに神経回路におけるCNOT2の機能について検討する。また、患者と同じ変異を持つ、あるいはCNOT2欠失を有するモデルマウスを作製して表現型を解析することも予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CNOT2遺伝子の正常神経発生における役割解明を行うため、培養細胞を用いての研究を進めている。コンストラクトを作製し、培養細胞に導入した。これから表現型を確認し、正常細胞との比較を行い、機能について検討する。また、モデルマウスの作製も進めている。コロナ禍のため、予定通りに実験を進めることができず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、培養細胞を用いて変異遺伝子を発現した際の表現型を確認し、正常の場合と比較する。結果をもとに、神経回路内でのCNOT2の役割について考察する。モデルマウスの行動解析もできれば行い、ヒトの表現型と比較検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、本年度は実験が予定通りには進まず、次年度に延長となった。そのため、本年度の助成金を次年度に繰り越して使用する予定となった。次年度は、進行中である培養細胞を用いた実験と、モデルマウスを用いた実験を予定している。
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