2023 Fiscal Year Research-status Report
線虫を用いたCNOT2遺伝子の正常神経発生における役割解明
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20K16866
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
上原 朋子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 遺伝子医療研究部, 客員研究員 (30767124)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CNOT2 / 機能解析 / 培養細胞 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新規の知的障害症候群の原因であるCNOT2遺伝子の機能不全により生じる病態について解明し、CNOT2 の正常神経発生における役割の解明を目指し ている。複雑な神経回路を有するヒトで、その詳細を研究することは極めて困難である。そのため、ヒトの神経発生等の研究に適しているモデル生物である C.elegans を用いて研究を行う予定であった。 C.elegansにおけるCNOT2ホモログであるntl-2遺伝子の発現パターンを調べて組織ごとのプロモーターを同定し、組織特異的にntl-2遺伝子発現を欠失させたモデ ル生物を作製する方針であった。 しかしながら複数回実験したが、ntl-2遺伝子の組織毎のプロモーターの同定は困難であった。そのため方針変更せざるを得ず、培養細胞およびモデルマウスを用いて解析を行うこととした。 Hela細胞に野生型CNOT2と変異型CNOT2をそれぞれ導入したところ、変異型CNOT2でもタンパクとしては発現している事が確認された。機能喪失である可能性が考えられるため、現在検討中である。また、変異体モデルマウスが作製できたので、マウスを用いての機能解析も実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CNOT2遺伝子の正常神経発生における役割解明を行うための研究を進めている。 コンストラクトを作製し、培養細胞に導入し、タンパクとしての発現を確認した。また、モデルマウスも作製した。 コロナ禍のため、予定していた実験計画からはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、Hela細胞に野生型CNOT2と変異型CNOT2をそれぞれ導入したところ、変異型CNOT2でもタンパクとして発現している事が確認された。これにより、患者で確認されたCNOT2変異は機能喪失型変異である可能性が考えられた。今後は表現型の確認を行なっていく。 変異体モデルマウスが作製できた。マウスを用いて表現型を解析していく。具体的には身体サイズ、脳の形態異常、行動異常などについて検討していく。 これらの結果をもとに神経回路内でのCNOT2の役割について考察する。モデルマウスの表現型と患者での表現型についても比較検討を行えたらと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、予定の実験計画よりもやや遅れている。次年度使用額を用いて、現在進行中の培養細胞を用いた機能解析およびモデルマウスを用いた機能解析のための消耗品購入などを予定している。また、情報収集や成果報告のための学会(国内・国外)参加も予定している。
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