2022 Fiscal Year Research-status Report
小児の好酸球性消化管疾患におけるTGF-βシグナル伝達系の機能解析
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20K16867
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稲毛 英介 順天堂大学, 医学部, 助教 (60749951)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 好酸球性消化管疾患 / 寄生虫感染症 / TGF-β1 / シグナル伝達系 / SNAI1 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに報告した通り、TGF-βシグナル伝達系による食道上皮バリヤー機能の制御について、培養上皮レイヤー(3D-ALI系)を用いた検討を行っている。昨年度は形態株を用いた検討結果をより生理的条件に近い形で検証するため、一時培養細胞を用いた同様の培養実験系を構築しているが、不死化細胞株と異なり培養条件がややデリケートで、なお再現性ある実験系の構築に難渋している状況である。 一方で、厚労科研の好酸球性消化管疾患研究班を通して国内ガイドラインアップデート計画に参加し、大幅に変化しつつある疾病のターミノロジーについて、国内の用語標準化を計画している。正規認可薬が国際標準に比して極めて少ない点について、小児科学会社会保険委員としての知見を活かして支払基金経由での審査情報提供を実現できないか、班会議内での依頼を受け課題研究を行っている。基礎研究で得られたこれまでの知見を、Minds準拠の国内ガイドラインへの記載として還元し、国内全体の実地臨床水準の向上に努めている。 研究副産物として、診療ガイドラインのジェンダー均衡の基礎分析を行い欧文論文を公表した。結果の内容により、日本アレルギー学会の働き方改革推進奨励賞を受賞し昨年受賞講演を行った。 同様に、診療情報データを用いたリアルワールドデータを用いて課題を多様な側面で検討することを試みている。最初の成果産物を今年、欧文文献として公表した。この成果などから、今年度より日本小児科学会社会保険委員長に就任し小児診療の診療報酬交渉の実務責任者となっている。上記のような多様な側面から好酸球性消化管疾患の本態に迫ろうと試みているが、研究テーマ本体の検討も並行して行っていく予定である。なお、本研究で得られた知見の一部は今年6月の国立成育医療センター講演会(招待講演)で公表予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
都心部における新型コロナウイルス感染症の緊急対応に直接動員され、完全に研究の時間を失った。現在も所属病院において、PCR検査などのCOVID関連業務に関与しているが、コロナウイルス対応の正常化によりより高いエフォートが動員可能になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
医局の所属研究グループの複数の若手医師に、研究協力者として基礎的な予備実験にコミットしてもらう計画を立てている。ただし、COVID-19パンデミックの収束が得られるまでは学内への院外研究員の立ち入りが制限されており、流行がある程度収束してくるまでは実験系の確立になお困難を強いられる可能性がある。 米国コロラド小児病院の好酸球性消化管疾患研究プログラムと、技術的なコラボレーションを進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症パンデミックによる研究施設閉鎖、それに伴う研究計画の遅延。次年度が最終年となるため将来的な研究計画につながるような検討を次年度中に遂行することを検討している。研究協力者として参加している、厚労科研野村班の共同研究者に計画の支援を依頼することも検討している。
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Research Products
(2 results)