2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒトの骨髄由来免疫抑制細胞に着目した食物アレルギーの機序解明に関する研究
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20K16868
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
米山 俊之 順天堂大学, 医学部, 助教 (50843140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 免疫寛容 / 骨髄由来免疫抑制細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
食物アレルギーの耐性獲得の機序は不明な点が多い。申請者らは経口免疫療法を行ったマウスモデルを解析することで、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSCs)が食物アレルギーの免疫寛容の誘導に大きく関与していることを見出した。本研究では小児の食物アレルギー患者の血液検体を用いて、同様の機序がヒトでも存在するのかを明らかにする。 患者背景を均一にするため、鶏卵アレルギーのみを持つ小児を対象とし、これまでに6例の患者をリクルートした。まずは患者の全血から末梢血単核細胞(PBMC)を分離した。つぎに分離したPBMCにMDSCsの2つのサブタイプである顆粒球系と単球系の蛍光色素抗体を添加し、フローサイトメーターで解析した。さらにPBMCに制御性T細胞の蛍光色素抗体を添加し制御性T細胞の割合も同時に解析した。現在は患者のリクルートを継続しつつ、MDSCsによるCD4陽性T細胞の分化抑制能の評価を行う実験を2021年5月から開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験のプロトコールが完成し、予備実験において良好な結果を得た。次に、実際の鶏卵アレルギー患児の血液検体を用いた実験を行い、骨髄由来免疫抑制細胞や制御性T細胞の分離、解析に成功した。以上より、初年度の進捗状況としておおむね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄由来免疫抑制細胞によるCD4陽性T細胞の分化抑制能を評価する。骨髄由来免疫抑制細胞は患者のPBMCからCD14とCD15を用いたポジティブセレクションで、CD4陽性細胞はネガティブセレクションで採取する。すでにプロトコールは完成しており、まずは2021年5月に3名の患者検体を使用した実験を予定している。引き続き患者のリクルートを継続していく。
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Causes of Carryover |
骨髄由来免疫抑制細胞のCD4陽性T細胞の免疫抑制能を評価する実験のプロトコールに時間を要し、当該年度での試薬や物品の発注に間に合わなかった。現在はプロトコールが完成し、次年度の4月に発注を行った。さらにはリクルート患者数がやや少なかったことも影響しており、次年度はさらなる患者数の増加が見込まれている。
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