2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of CAR-T cell therapy for pediatric solid malignancy using advantages of induced pluripotent stem cells
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20K16869
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 紀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50526176)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CD99ノックダウンiPS細胞 / T細胞分化 / CAR立体構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、以下の2点(①CD99ノックダウンiPS細胞のT細胞への分化誘導、②CD99CARのコンストラクトの改良)を行った。 ①は、CD99が悪性腫瘍だけでなく正常リンパ球にも発現することが知られているため、iPS細胞からT細胞へ分化する過程においてもCD99発現がみられるのか、みられるならば分化過程で互いに攻撃し合って死滅する可能性を排除するため、予めCD99抑制を行うべきだが、CD99抑制したiPS細胞でもT細胞への誘導が可能かどうかを検証した。結果、やはり、iPS細胞からT細胞への分化過程においても、CD99は徐々に発現してくることが分かった。また、CD99shRNA導入にて作成したCD99ノックダウンiPS細胞株をT細胞へ分化させると、増殖効率の低下および作成T細胞におけるCD8発現の低下がみられ、また、抑制していたはずのCD99発現が徐々にみられるようになることが分かった。 ②は、当研究室で開発したCD99CARの評価系として、Jurcat cellsに発現させNFATシグナル経路の系を準備したが、Jurcut cellsへの導入抵抗性がみられたこと、また、抗CD99CARクローニング後、単離する際に凝集化が生じるという問題を解決するため、東大工学部バイオエンジニアリング津本研に協力を仰ぎ、scFvの重鎖と軽鎖の入れ替え等の改良を行った。しかし、結果、やはりCD99CARは凝集体を生じてしまい、凝集体のままCD99陽性細胞株に添加しても結合がみられず、凝集のためにCD99を認識できないものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗CD99CARは当教室で数年かけて開発したものであり、塩基配列の問題はないと考えているが、蛋白立体構造の問題で、標的を認識できないものと考えられた。これまでに、抗体の立体構造研究を専門とする他研究施設と連携して、立体構造の改良を行ったが、同様の結果であり、残念ながら解決に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな標的の探索も考慮しつつ、引き続き、抗CD99CARの立体構造の改良を行う。 これまでに、CD99ノックダウンiPS細胞株のT細胞分化の検証を通じて、CD99がT細胞の分化に必要であることが示唆され、CD99 isoformの変化についても興味深いデータが得られたが、n=1と少なかったため、サンプル数を増やして再度検証する。
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Causes of Carryover |
研究に必要な消耗品で、ちょうどよい金額のものがなかった。次年度助成金と合わせて、購入にあてる。
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Research Products
(3 results)