2022 Fiscal Year Annual Research Report
C/EBPβ依存的非古典的単球の小児がん進行への関与メカニズムの解明
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20K16872
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田村 彰広 神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (90841180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児がん / 神経芽腫 / 単球 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは、単球・マクロファージが強く関与する小児がん病型の絞り込みを行う目的で、様々な小児がん病型において、診断時の末梢血中の単球数と予後の相関を解析した。 その結果、特に神経芽腫において、診断時の末梢血単球数と長期予後に強い相関があることが明らかとなった。この結果より、以降は神経芽腫に焦点を置いて解析を行った。 これまでに、神経芽腫病理組織検体を用いて、神経芽腫の高リスク群で単球・マクロファージの浸潤密度が高いことを明らかにしてきた。また、腫瘍細胞の発現するCD47と、単球・マクロファージの発現するSIRPαが結合して形成されるCD47-SIRPαシグナル系が単球・マクロファージによるがん細胞の貪食を抑制することが明らかになっている。そこで、免疫組織化学染色を用いて、神経芽腫に浸潤する単球・マクロファージのSIRPα発現を解析することとした。その結果、神経芽腫に浸潤する単球・マクロファージにはSIRPαを高発現していること、神経芽腫にはCD47を発現していることが明らかとなった。そこで、SIRPαを標的とすることで、神経芽腫の新規治療となり得ることを見出した。 また、1細胞解析RNA-seqを用いて、単球はこれまでの想定以上に不均一であること、従来のCD14・CD16を用いた解析では抽出できる情報が不十分であることが明らかとなり、新たな単球分類マーカーの候補を抽出した。現在、新たな単球解析パネルを開発を進めており、完成すれば神経芽腫患者の末梢血を用いで解析を予定している。
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