2022 Fiscal Year Research-status Report
ZTTK症候群の知的障害発症機構解明を目指した核内蛋白質SONの機能解析
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20K16876
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
上田 昌史 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90791541)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の解析には、内在性Son(ZTTK症候群の原因遺伝子SONのマウスホモログ)遺伝子の発現を低下させたモデルを作製する必要がある。Crispr/Cas9を用いたゲノム編集技術によるモデルマウス樹立の実験が、今年度も引き続き実施困難であった。 本年度は国内学会に参加して研究遂行に必要な情報を収集し、細胞モデル作製を計画し実験の準備を開始した。当初の計画を変更し、マウス由来の神経細胞における内在性Sonの発現をshRNAノックダウンベクター導入により発現低下させ、内在性Sonノックダウン細胞を作製し、代替モデルとすることにした。shRNAノックダウンベクターは作製した代替モデルを用いて、以後のSon標的遺伝子群の遺伝子発現解析を行い、研究遂行する方法を計画した。 今後は1年間補助事業期間を延長し、延長期間内に以下の内容を計画している。 1. in vitro系を用いた細胞モデルの作製実験:マウス由来神経細胞株にshRNAノックダウンベクターをリポフェクション法により遺伝子導入する。遺伝子導入細胞を試料とするが、導入効率が低い場合はFACS (fluorescence-activated cell sorting)でGFPを指標としてSonノックダウン神経細胞をソーティングし試料とする。 2. 細胞モデルを用いた遺伝子発現変化の検証実験:1で得られた細胞を試料とし、定量PCRを実施する。この時、SON標的遺伝子群であり、かつ知的障害原因遺伝子またはシナプス形成関連の遺伝子群に着目しそれらの発現量を定量する。またノックダウン効率の異なる2種類のノックダウンベクターを使用し、ノックダウン効率の違いによるこれら遺伝子群の発現量変化の差の有無や、発現変化を受ける遺伝子の違いの有無を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度途中での研究代表者の再度の所属先異動により、研究を実施することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年間の補助事業期間延長を申請し承認して頂けた。延長期間では、当初計画していた研究内容を培養細胞を用いた代替モデルに変更して進める。 次の1, 2を行う予定である。 1. in vitro系を用いた細胞モデルの作製:マウス由来神経細胞株にSonノックダウンベクターを遺伝子導入する。 2. 1で得られた細胞モデルを試料とした遺伝子発現変化の検証実験:1で得られた細胞を試料とし、定量PCRを実施する。Son標的遺伝子群であり、かつ知的障害原因遺伝子またはシナプス形成関連の遺伝子群に着目しそれらの発現量を定量する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属先の異動により、研究実施が困難となった。予定していた実験を遂行できず残額が生じた。 一年間の補助事業延長期間では当初計画していた研究内容を代替モデルに変更して進めることとし、次年度使用額を使用する。
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