2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of appropriate dose of caffeine using TDM in extremely preterm infants
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20K16877
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨床研究部(循環器)) |
Principal Investigator |
杉野 政城 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨床研究部(循環器)), 新生児内科, 医師 (50793220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 早産児無呼吸発作 / カフェイン / カフェイン中毒 |
Outline of Annual Research Achievements |
超早産児を対象としてカフェイン血中濃度と糸球体濾過量の相関関係を明らかにすることを本研究の目的としている。これまでに入院した症例を対象としてカフェイン血中濃度の測定を随時行い、糸球体濾過量を評価する指標として血清クレアチニンおよび血清シスタチンCを測定している。また、血中濃度と副作用や合併症の発生率、神経学的予後との関連性を調査している。 予定症例を30症例と設定していたが、最終年度に30症例には届いていない。ただし、今年度までのデータより、在胎週数に関係なく、カフェインクエン酸塩維持量8mg/kg/day以上を7日間程度投与するとカフェイン中毒を来すとされる濃度を越える可能性が高いことが判明した。糸球体慮過量(指標として血清クレアチニン値を用いた)に相関性は認め無かった。このことから、上記の投与量・投与期間では在胎週数や糸球体濾過量に関係なく、中毒濃度を来す可能性が高いことが判明した。明らかな副作用(頻脈、腹部膨満、低Na血症など)や合併症(小脳出血等)を認める児は現時点では確認されなかった。神経学的予後に関しては、新版K式発達検査を修正1歳半及び暦3歳で行ってきた。現在までに、在胎28週以上且つ出生体重1500g未満の症例を対象とし、維持量8mg/kg/day以上を7日間以上投与群(中毒濃度を越える可能性が高い群)とそれ以外の群で暦3歳での発達検査を比較した。その結果、前者にて暦3歳での認知機能正常(DQ≧85)を呈する割合が有意に低いことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象症例数には達していないが、解析に十分な結果が集まっている。投与量と血中濃度の相関関係が明らかになり、中毒濃度を越える危険性のある投与量及び投与期間を示すことが出来た。また、この高カフェイン血中濃度の影響を検討した結果、暦3歳での認知機能悪化を示唆する結果が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であったが、予定症例数に届かなかったため延長して更なる解析を進める。特に認知機能への影響が懸念されることから、神経学的予後の継続的調査を進める。また、高カフェイン血中濃度が早産児の脳へ及ぼす影響につて今後解析を行う必要が出てきたため、本研究を進めると同時に、血中濃度モニタリングと脳機能評価を組み合わせて行う研究計画も進めていく。
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Causes of Carryover |
高速液体クロマトグラフィーを用いたカフェイン測定に必要な消耗品は、現在ある使用品で足りたため、新規購入を行わなかった。このため、翌年度での購入を予定している。徐脈を伴う無呼吸発作を的確に検出するためのPower Labは借用して行うことが可能なため購入していなかった。ただし来年度には借用困難が予定されているため、購入を予定している。また、海外学会で発表予定であったがコロナ渦のため2021年度に引き続き現地不参加となり、その費用が消費されなかった。翌年度に行われる予定の複数学会での現地発表に向けて準備中であり、旅費として使用予定である。
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