2020 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮由来微小粒子による肺動静脈瘻合併肺高血圧症発症機構の解明
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20K16881
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
六郷 由佳 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (60868248)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝性出血性末梢血管拡張症 / 肺動脈性肺高血圧症 / 血管内皮由来microparticle / ACVRL1遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧症(PAH) のうち,遺伝性出血性末梢血管拡張症(Hereditary hemorrhagic telangiectasia: HHT)を合併する症例では,PAH単独症例に比して進行が早く肺血管拡張薬が奏功しにくく,予後不良であることが報告されている.これらの症例ではTGF-β superfamilyに含まれるACVRL1(ALK1),ENG,SMAD4などの遺伝子変異が報告されているが,病態との関連については不明な点も多い.申請者らは,肺血管内皮細胞傷害の際に上昇し,細胞間の情報伝達物質およびバイオマーカーとして報告されているmicroparticle(EMP)に着目した.本研究では,HHT-PAH患者,PAH患者,HHT患者,およびPAHを伴う先天性心疾患患者において,肺血管内皮由来microparticleがどのような挙動を示し,疾患の進展に関与しているかについて検討することを目的とする. 今年度は,PAH患者,HHT患者,HHT-PAH患者,および血管内皮傷害のコントロール群として川崎病血漿交換症例の血液を収集し,EMP解析用の処理を行っている.これらのために他施設とも共同研究とし,検体採取を依頼している.また,共同研究者とともに対照群のEMP測定をflow cytometryを用いて行い,EMP染色用抗体や測定用ビーズなどの購入についてアドバイスをいただいた.また,当科でフォローしているHHT-PAH患者の遺伝子解析を行い,ACVRL1(ALK1)であることが明らかになったため,ACVRL1遺伝子特異的EMP測定準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な検体の収集,Flow cytometerによる測定系のセットアップなど概ね順調に推移している.しかしコロナ禍で十分に研究ができない期間があったため,予定していたin vitroの実験系の立ち上げが遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
実際に収集した検体を用いたEMP測定,ACVRL1特異的EMP測定のための準備,in vitroの肺血管内皮細胞を用いた実験系の確立を行っていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で実験計画がやや遅れたため物品を購入しなかったことに加え,国際学会への参加費用を要さなかったため.
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Research Products
(1 results)