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2020 Fiscal Year Research-status Report

肺高血圧症の病態におけるインスリン分泌促進ホルモン、その分解酵素の役割は?

Research Project

Project/Area Number 20K16885
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

細川 奨  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座助教 (00737025)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords肺高血圧症 / DPP-4阻害薬 / GLP-1受容体作動薬
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、肺高血圧症と炎症との関連に注目し研究を進める。特に、インスリン分泌促進(インクレチン)ホルモンであるGLP-1 (glucagonlike peptide-1)、およびその分解酵素ジペプチジルペプチダーゼ4 (DPP-4)の肺高血圧症の病態に果たす役割を検討する。以下に研究結果を示す。
(1)生存率他;ラットにモノクロタリン(MCT)を皮下注射し肺高血圧症モデルを作成した。MCT群、MCT + リラグルチド(GLP-1受容体作動薬)、MCT + アログリプチン(DPP-4阻害薬)、MCT+ リラグルチド + アログリプチンにおいて、MCT投与開始30日での生存率は、各々5%、60%、45%、65%、また心臓カテーテル検査による右室圧は、各々25.4±1.4、85.9±1.2、25.9±1.6、33.0±4.134.7±4.0mmHgと、治療群で著明に改善した。免疫組織化学染色では、肺小動脈において、MCT群で認めた中膜の著明な肥厚が、治療群では多数の血管で軽快した。
(2)遺伝子発現;
各群の肺組織を、定量PCRを用い、肺高血圧症に関与する遺伝子(35種類)の発現量を検討した。リラグルチド、アログリプチン投与群いずれも、塩基性線維芽細胞成長因子(FGF2)、プラスミノゲン活性化抑制因子がMCT群での上昇に比べ軽減した。一方で、電位依存性カリウムチャネル、カベオリン1は、MCT群に比べ軽度の減少にとどまった。またリラグルチド群では、組織因子の発現が抑制され、アログリプチン群では、CD28、CD86といったT細胞共刺激因子がMCT群で上昇、アログリプチン群で軽減した。
このことから、アログリプチン、リラグルチドの相乗効果が、ラット肺高血圧症モデルの改善に寄与することが考えられた。特にアログリプチン群では、T細胞共刺激因子が関与していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

動物実験については、概ね順調に進んでいる一方で、細胞を用いた実験の検討が遅れている。
創造されたよりも、動物実験に時間がかかり、その後の実験が滞っている。
肺高血圧症の病態における、DPP-4のT細胞活性化抗原としての役割として、T細胞と肺動脈平滑筋細胞の共培養による増殖アッセイ、またT細胞と肺動脈平滑筋細胞の直接の相互作用のための免疫沈降を行なっているが、実験結果が安定しない。
播種する細胞数の検討や、プラスミドがうまく遺伝子導入できているかの検討も必要かもしれない。
また、肺動脈平滑筋細胞におけるDPP-4受容体の存在や、GLP-1の肺動脈平滑筋細胞への効果の検討もこれからの課題である。
うまく進まない場合には、別の肺高血圧症モデルの使用(血管内皮細胞増殖因子阻害剤+低酸素暴 露)も検討する。

Strategy for Future Research Activity

現在の自身の業務の中で、予定よりもエフォートが取れていない。それを少しでも増やすように時間の配分を考える。

Causes of Carryover

想定されたよりも実験の進捗が遅く、細胞関連の実験機器の購入も遅れたことが、次年度使用額が生じた理由である。
次年度は、細胞に関する実験用品を中心に購入予定である。

URL: 

Published: 2021-12-27  

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