2020 Fiscal Year Annual Research Report
The analysis of correlation between transcription factor activity and clinical features in patients with HNF1B abnormality
Project/Area Number |
20K16893
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石河 慎也 神戸大学, 医学部附属病院, 非常勤医師 (60857564)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HNF1B遺伝子 / 遺伝性腎疾患 / ドミナントネガティブ |
Outline of Annual Research Achievements |
HNF1B(hepatocyte nuclear factor 1-beta)遺伝子は転写因子の1つであるHNF1B蛋白をコードし、HNF1B遺伝子異常症は腎嚢胞や先天性腎尿路異常、末期腎不全などの腎疾患から若年発症の糖尿病まで多彩な表現型を来す常染色体優性遺伝性疾患である。我々は日本国内におけるHNF1B遺伝子異常の臨床的特徴の検討を行った結果、HNF1B遺伝子全欠失を認める患者群に比較し、HNF1B遺伝子内に病的点変異を有する患者群で有意に腎予後が不良であることを明らかにした。本研究では、患者において検出されたHNF1B遺伝子点変異に関して、プロモーターアッセイによる転写因子活性の解析を行い、同定された変異の病原性の証明を行う系を確立するとともに、正常HNF1B蛋白を病的蛋白と共発現することでドミナントネガティブ作用の有無とその発症機序の解明を行うことを目的としている。本研究では初めに HNF1B蛋白の結合配列をルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入したレポータープラスミドを作成した。次に野生型と変異型のHNF1B蛋白を発現するプラスミドと共にH293T細胞に遺伝子導入し、発現したルシフェラーゼ酵素活性を化学発光法で測定する系を確立することに成功した。現在、この系を用いて転写因子活性の解析を行い、正常HNF1B蛋白を病的蛋白と共発現することでドミナントネガティブ作用の有無の解明を試みている。今度、複数の変異型を用いて検討を行う方針としている。
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