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2021 Fiscal Year Research-status Report

小児・AYA世代AMLにおけるヒストン修飾に着目した予後因子の確立と治療開発

Research Project

Project/Area Number 20K16895
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

後藤 洋徳  大分大学, 医学部, 客員研究員 (70727966)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
KeywordsH3K27me3 / H3K4me3 / 小児AYA世代AML
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、小児・AYA世代のAMLにおけるH3K4me3およびH3K27me3発現の解析を行い、ヒストン低メチル化が小児AMLにおける治療抵抗性の要因となるかを明らかにすることを目的とした研究である。
2021年度の研究成果は、小児AML症例の臨床データと検体の集積・収集を目的として、JCCG(Japan Children’s Cancer Group)に集積されているAML症例のうち、共同研究に同意が得られた施設の臨床データおよび骨髄クロット検体を収集した。現段階で合計83症例を蓄積している。収集した初発時骨髄クロット標本を用いて、AML細胞のH3K4およびH3K27me3について免疫染色を行なった。免疫染色のプロトコールを確立し、発現評価スコア(IRS)による評価方法も確立した。
また、患者骨髄検体からソーティングにより白血病細胞を抽出し、低メチル化群と高メチル化群に選別するウエスタンブロッティング法を用いた評価方法を確立した。さらに、同方法で選別を行った白血病細胞において、H3K27me3低メチル化群および高メチル化群における群間での遺伝子発現の差異をRNAシークエンス解析により同定した。
さらに、細胞株および患者サンプルを用いて、DZNep負荷によるH3K27me3のメチル化を抑えることで、薬剤への感受性に違いが生じることも確認した。
さらに、小児期の稀な膵芽腫においてH3K27me3の低下およびRAS-MAPキナーゼ経路の亢進を確認し、固形腫瘍においてもH3K27me3の低下が及ぼす影響について、検討を行った。今後は、小児期AML症例のみならず、ALL、その他の稀な固形腫瘍においても、メチル化の評価およびその下流のパスウェイについても検討を行い、小児期発症の造血器腫瘍、固形腫瘍におけるヒストン修飾の重要性について解明に繋がるよう、研究を遂行する方針である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、当初の予定通り、ヒストンメチル化(H3K4me3およびH3K27me3)に関する免疫染色および、その評価を予定通り行っている。
H3K27me3低メチル化群と高メチル化群とでの両群間における遺伝子発現に関するRNAシークエンスを用いた解析、白血病細胞(セルライン、患者検体から採取した白血病細胞)における薬剤感受性についても評価を現在、進めている段階である。
さらに、今回、膵芽腫症例で得られた知見を基に、AML以外のALLあるいは小児期に生じ得る固形腫瘍などにおいても同様な検討を進めている段階であり、研究全体の進行度は概ね予定通り進んでいると評価している。

Strategy for Future Research Activity

今後は、抽出された遺伝子についての病態への関与について証明するために、下流のパスウェイについて、検討を進めるとともに、現在行っている薬剤感受性に関する評価系をベースにして、H3K27me3の低下と薬剤感受性に対する影響について明確化するための実験を進めていく方針である。
また、AML以外のALLやその他の固形腫瘍細胞も含めた腫瘍細胞において、H3K27me3の低下によってもたらされることが予想される増殖や転移、難治化に関与するパスウェイの同定などについても、同様な手法、解析方法を用いて、解明を進める方針である。
最終的には、H3K27me3の低下によって生じ得る下流のパスウェイの同定を行った上で、その阻害を行うことで、AMLをはじめとする腫瘍細胞の増殖、転移、難治化を阻害し得る新規治療戦略の構築に繋ぎ得るか検討を進めていく方針である。

Causes of Carryover

現在、研究は概ね順調に進行しており、次年度は主に白血病細胞におけるH3K27me3の低下によってもたらされる遺伝子発現の変化の評価、薬剤感受性の変化についての評価、さらにALLやその他の腫瘍細胞を含む腫瘍細胞におけるメチル化と下流のパスウェイの評価を行うための種々の試薬、抗体などの物品費が必要となる。また、加えて報告のための論文作成、報告に関連した費用も必要となることが予想される。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 新規IQSEC1-RAF1融合遺伝子異常を伴った小児膵芽腫2022

    • Author(s)
      後藤洋徳
    • Organizer
      第63回 日本小児血液・がん学会学術集会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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