2022 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン初期応答に基づく新規川崎病再燃予測システムの確立
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20K16937
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
小野 林太郎 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医員 (80841197)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サイトカイン / 川崎病 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病は小児に生じる原因不明の発熱性疾患である。高リスク患者の抽出と適切な介入により冠動脈瘤の形成を予防するストラテジーの開発は重要な課題である。本研究では、治療前後の川崎病患者をはじめとした様々な小児炎症性疾患患者サンプルを用いて、サイトカイン解析と、免疫細胞サブセット解析を行い、それらを臨床所見、検査データと統合することで、疾患の病態理解の向上ならびに、治療不応・再燃リスクの高い患者を早期抽出し、適切な介入を可能とすることを目指す。 2020年度は、川崎病4症例12サンプルにおけるサイトカインプロファイルを施行し、川崎病患者における治療前のサイトカイン値は、IFN-γ高値とG-CSF高値が特徴的であることを確認した。また、川崎病以外の有熱性疾患各とのサイトカインパターン比較のため、PFAPA、HLH、ITP、CAPS、CAEBV、AML、MDSについても測定を行った。 また、COVID-19流行に伴い、川崎病の疫学データが変化すると考えられ、過去のデータとCOVID-19流行期以降のデータの比較、ならびに、川崎病患者におけるCOVID-19の抗体価(IgG、IgM)についても評価を行い、論文報告した。 2021年度には解析を追加し、川崎病38症例94サンプルにおけるサイトインプロファイルを施行した。また、川崎病以外の有熱性疾患各とのサイトカインパターン比較のため、PFAPA、HLH、MSMD、AML、ALLについても測定を行った。 2022年度にはさらに解析検体を追加し、川崎病患者20例59サンプルおよび、コントロールを含む他の疾患9例17サンプルの解析を行った。予定していた解析の大部分は年度内に終了したものの、2022年度は学内研究施設の大規模移設等に伴い実験が制限される期間が相当期間あり当初の計画から遅れが生じている。そのためデータの統合・解析ならびに国内外学会や学術誌への報告は2023年度以降を予定している。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Novel STAT1 Variants in Japanese Patients with Isolated Mendelian Susceptibility to Mycobacterial Diseases2023
Author(s)
Rintaro Ono, Miyuki Tsumura, Saho Shima, Yusuke Matsuda, Kenji Gotoh, Yurina Miyata, Yuko Yoto, Dan Tomomasa, Takanori Utsumi, Hidenori Ohnishi, Zenichiro Kato, Naruhiko Ishiwada, Aki Ishikawa, Taizo Wada, Hisashi Uhara, Ryuta Nishikomori, Daisuke Hasegawa, Satoshi Okada & Hirokazu Kanegane
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Journal Title
Journal of Clinical Immunology
Volume: 43
Pages: 466-478
DOI
Peer Reviewed