2020 Fiscal Year Research-status Report
胎児十二指腸・空腸閉鎖症の疾患レジストリによる臍帯潰瘍の病態解明と発症予測の研究
Project/Area Number |
20K16944
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
小澤 克典 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 医員 (70408516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胎児十二指腸閉鎖症 / 胎児空腸閉鎖症 / 臍帯潰瘍 / 疾患レジストリ / 多施設共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は胎児十二指腸閉鎖症・空腸閉鎖症に発症する臍帯潰瘍による周産期死亡の減少を最終的な目標とし、そのため疾患レジストリを構築し、これまで明らかになっていなかった臍帯潰瘍の臨床経過や羊水生化学、臍帯の病理学的所見について明らかにするとともに、妊娠中に臍帯潰瘍の発生を予測するための因子を探索し、その予測モデルを構築することを目的とした。研究の主要評価項目はGrade2以上の臍帯潰瘍の発生有無とし、副次評価項目にGrade4の臍帯潰瘍の発生有無、早産の有無、胎児死亡もしくは新生児死亡の有無、胎児仮死の有無、新生児仮死の有無、新生児アシドーシスの有無、新生児貧血の有無を設定した。 2020年度は臨床研究センターの協力を得て研究計画書を作成し、倫理委員会の承認を得た。研究事務局を設立し、2施設の病理医と話し合い、病理診断における中央診断部門も設立した。症例報告書とデータベースを整備し、共同研究をおこなう全国19施設(国立成育医療研究センター、日本赤十字社医療センター、東京都立多摩総合医療センター、東京都立小児総合医療センター、さいたま赤十字病院、埼玉県立小児医療センター、東京大学医学部附属病院、順天堂医院、神奈川県立こども医療センター、静岡県立こども病院、聖隷浜松病院、岐阜県総合医療センター、名古屋大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、大阪母子医療センター、山口大学病院、九州大学病院、福岡市立こども病院、久留米大学病院)による会議を開催した。2020年11月に登録を開始し、17症例が登録された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は臨床研究センターの協力を得て研究計画書を作成し、倫理委員会の承認を得た。研究事務局を設立し、2施設の病理医と話し合い、病理診断における中央診断部門も設立した。症例報告書とデータベースを整備し、共同研究をおこなう全国19施設(国立成育医療研究センター、日本赤十字社医療センター、東京都立多摩総合医療センター、東京都立小児総合医療センター、さいたま赤十字病院、埼玉県立小児医療センター、東京大学医学部附属病院、順天堂医院、神奈川県立こども医療センター、静岡県立こども病院、聖隷浜松病院、岐阜県総合医療センター、名古屋大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、大阪母子医療センター、山口大学病院、九州大学病院、福岡市立こども病院、久留米大学病院)による会議を開催した。2020年11月に登録を開始し、17症例が登録された。
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Strategy for Future Research Activity |
目標症例数である100例を満たすまで研究施設での疾患レジストリを推進する。学会・研究会などで、本研究の疾患レジストリについて周知を図り、リクルートが進むように工夫をおこなう。研究計画は実施可能性を重視して目標症例数を設定しており、過去の後方視的研究によると肉眼的臍帯潰瘍の発生率は約10%、顕微鏡的臍帯潰瘍の発生率は約20%と報告されているため、本研究の登録予定数は肉眼的臍帯潰瘍が10例、顕微鏡的臍帯潰瘍が20例である。登録された臍帯潰瘍の症例が予測よりも少ない場合の目標症例数の修正の必要性については、生物統計家と相談しながら進めて行く。必要とされている登録症例数に達すれば、生物統計家の協力とともに、主要評価項目、および副次評価項目を目的変数とした多変量解析によって、アウトカムと関連する因子・検査項目を探索し、これまで明らかになっていなかった臍帯潰瘍の臨床経過や羊水生化学、臍帯の病理学的所見について明らかにする。また、臍帯潰瘍と関連する因子を用いて、妊娠中に臍帯潰瘍の発生を予測する方法を作成する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染の全国的な拡大によって、症例登録の開始が予定より大幅に遅れ、そのため試料の輸送、および検査のための支出が予定額より少なくなり、翌年度に使用する必要が発生した。翌年度は症例登録をさらに促進し、登録された症例の試料の輸送費、および検査費に使用する。また、リクルート促進のための広報活動と研究施設間ミーティングの開催に使用する予定である。
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