2022 Fiscal Year Annual Research Report
SIRT7の腸管組織における機能解析および炎症性腸疾患との関連の探索
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20K16961
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
古田 陽輝 熊本大学, 病院, 特任助教 (00869513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SIRT7 / DSS腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管組織において、上皮細胞と非上皮細胞においてSIRT7の発現が多いか検討したところ、qPCRでは上皮細胞、非上皮細胞いずれにも同等に発現していることがわかった。また免疫染色にても同様に上皮細胞にも非上皮細胞にも発現していることが確認できた。そのため腸管炎症へのSIRT7の関与について、上皮細胞での機能および非上皮細胞での機能を解析することが必要と考えられた。 上皮細胞における機能について、初年度に行ったRNA-seqについて詳細に解析を行った。腸炎のないWTとSIRT7KOマウスおよびWTとSIRT7KOマウスにDSS腸炎を誘導した上皮細胞からそれぞれRNAを抽出し、発現mRNAについてRNA-seqを行い比較した。腸炎のない状態ではWTとSIRT7KOマウスでの遺伝子発現には大きな差はなかった。一方、DSS腸炎誘導下では異なる遺伝子発現パターンを認めた。SIRT7KOにて発現が上昇した遺伝子が144遺伝子あり、低下した遺伝子が259遺伝子を認めた。これらの遺伝子群についてGO解析を行ったところ、上昇した遺伝子群には免疫細胞の浸潤に関連した遺伝子が、発現が低下した遺伝子群には腸管上皮機能に関連した遺伝子が多く含まれていた。そのうち、過去にSIRT7と関連がある遺伝子として報告されている遺伝子で腸炎との関連が示唆されているXo3遺伝子については、SIRT7KOにてWTより低下しており、関連が示唆された。現在、それら遺伝子の変化が実際にどのように関与しているのか詳細な検討を行っている。
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Research Products
(3 results)