2021 Fiscal Year Annual Research Report
次世代金属錯体糖鎖連結光感受性物質を用いた新規光線力学的医療の開発
Project/Area Number |
20K16965
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
市川 紘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00790726)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PDT / Pt / Pd |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会を迎える本邦では、低侵襲癌治療として光線力学療法(PDT)の開発、発展が望まれている。の抗腫瘍効果および腫瘍集積性を高めるために、生体内必須分子である「糖」が癌細胞へ高効率に取り込まれる性質 (Warburg効果) を応用し光感受性物質に「糖」を結合した糖鎖連結光感受性物質を開発してきた。 その結果として、グルコース、マンノースなどの単糖類、多糖類であるマルトトリオース (Mal3)、さらに薬剤安定性を高めるためアセチル基で保護した糖鎖を連結させた光感受性物質による高い腫瘍選択性および強力な抗腫瘍効果を報告してきた。薬剤使用量を減らし更なる低侵襲PDTを行うべく、強力な抗腫瘍効果が確認されているMal3クロリンに白金 (Pt)やパラジウム (Pd)を結合させることにより、新規糖鎖連結光感受性物質の開発に成功しその高い抗腫瘍効果を確認した。本研究では新規金属錯体糖鎖連結光感受性物質によるさらに強力で低侵襲な新規PDTの開発を目指した。 退職により2年間で中断となったが、薬剤の殺細胞効果、一重項酸素の発現、細胞内局在に関しては評価を終了することができた。今後このデータをもとに実験の継続を研究室でお願いすることとした。
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