2021 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of multi kinase inhibitor in tumor microenvironment and tumor immunity in colorectal cancer
Project/Area Number |
20K16969
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
茂田 浩平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30528790)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / 腫瘍免疫 / 大腸癌 / Multi kinase inhibitor |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大腸癌におけるMulti kinase inhibitorの腫瘍微小環境への変化と腫瘍免疫の活性化を分子生物学的に検証することを目的とした研究を行っている.マウス由来大腸癌肝転移モデルをマウス大腸癌細胞株であるCT-26を用いて確立した.肝転移モデルとして肝臓に直接注入する肝注モデルとより臨床における肝転移の形成に近似した門脈から癌細胞が流入する脾注モデルの二つを採用している.それぞれのモデルについて検証を行ったところ,肝注モデルでは7日程度で腫瘍径が5㎜大に達し,治療を開始できることを確認した.脾注モデルは癌細胞の管内での生着,実験開始可能な腫瘍径に達するのに1か月程度要することを確認した. RegorafenibをMulti kinase inhibitorとして採用し,腫瘍増殖試験を実施し,CT26ではIC50が約5uMとなることを確認した.既報の肝細胞癌を用いた類似実験では,マウスに対するRegorafenibの投与濃度により血管および免疫細胞を主とした腫瘍微小環境への影響が異なることを報告している.そのため,Regorafenibを10mg/kgと20mg/kgの二つの濃度でマウスに投与よるin vivo実験を行った.腫瘍増殖抑制効果は既知の報告と類似し,優位な結果は得られなかった.Control,10mg/kg,20mg/kgの3群に分けて腫瘍を採取し,凍結切片を用いてCD8陽性T細胞と血管内皮細胞(CD31+)の分布について蛍光免疫染色で検証中である. 本研究は大腸癌における腫瘍免疫の活性化という新規治療の適応拡大のために重要なテーマを目的としている.マウス大腸癌肝転移モデルの作成に難渋したが,MSS大腸癌細胞株で2つのモデルの作成に成功した.in vivoの結果が待たれるところであり,今後の研究結果よりRegorafenibが標的とする腫瘍免疫活性化のためのカスケードの同定を進めていく予定である.
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