2022 Fiscal Year Research-status Report
潰瘍性大腸炎・病態型と腸内細菌叢、T細胞機能バランスおよびHLA型の関連解析
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20K16972
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
金子 元基 東海大学, 医学部, 助教 (80869058)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 腸内細菌 / IgA / T細胞 / HLA / MHC / 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度時点で、46例(CD17例、UC29例)の炎症性腸疾患患者より、血液・便の提供を受け、解析結果を得ていた。本年はさらに患者集積を行い、92例(CD30例、UC62例)より追加解析を行っている。 (1)患者腸内細菌叢でのIgA結合細菌の割合をフローサイトメトリー解析で調べた結果は、昨年度と同様に、CDは先行研究に一致して(JCI Insight 6:e148543, 2021)、高い結合率を示した。UCでは、低値から高値を示す症例に大きく分かれた。 (2)患者末梢血より得たDNAを用い、HLAクラスI(A/B/C)およびクラスII(DRB1 /DQB1/DPB1)の遺伝子多型より、HLA型を決定した。CDにおいて、DRB1*0405および同*0802の頻度が、日本人全体と比較し有意に高かった。前者は既報にて示された結果と一致しており、精度の高い解析結果が得られていると考えられる。UCについては、Th細胞バランス解析との関連から、classⅡに絞れば、DRB1*1502、DQB1*06:01:01、DPB1*09:01:01が有意に高頻度であった。また、DRB1*09:01:02、DQB1*03:03:02、は逆に有意に低頻度であることが分かった。 (3)末梢血CD4+ T細胞の機能性分化について、フローサイトメトリー解析を行った。その結果、UCの症例は、健常人集団やCDに比較して、Th2高値、Treg低値であることが示された。 (4)上記データおよび臨床データを用いた相関解析から難治性(PSL依存・抵抗性)UC症例において、有意にIgA結合細菌の陽性率が高いこと、さらにはTh2/Treg比が高値であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、患者糞便サンプルの16sメタゲノム解析をナノポアシークエンスにて行う実験のみ、患者エントリーの遅れから残っている。2024年度中には解析し終了予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度中に糞便細菌のメタゲノム解析の終了を目指す。その後、現在までの研究新着で得られた免疫の特徴(Th2/Treg比高値)を規定する具体的な腸内細菌の同定を目指す。
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Causes of Carryover |
糞便腸内細菌のメタゲノム解析がまだ完了しておらず、同研究解析費に使用予定。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A case of breast cancer with extensive colon metastasis.2022
Author(s)
Imai J, Hanamura T, Kawanishi A, Ueda T, Mishima Y, Ito A, Shirataki Y, Morimachi M, Kodama T, Sato H, Kaneko M, Sano M, et al.
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Journal Title
DEN Open
Volume: 3(1)
Pages: e189
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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