2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the relationship between thrombophilia in inflammatory bowel disease and Immunothrombosis
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20K16974
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
平田 有基 大阪医科大学, 医学部, 助教 (50774494)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 血栓症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、immunothrombosisに関与していると考えられる因子の中でも血小板、単球とLow Density Granulocytes (LDGs)の解析を主に行った。潰瘍性大腸炎(UC)の患者から採血を行い、血小板とperipheral blood mononuclear cell (PBMC)を採取しフローサイトメトリーにかけて解析を行った。CD41陽性の血小板のうちCD62P陽性のものを活性化した血小板と定義した。しかし、現段階で活性化血小板と疾患活動性に明らかな関連性は認めていない。血小板は検体の処理時間に状態が鋭敏に左右されることもあり、採血後可能な限り速やかに安定化(ThromboFix Platelet Stabilizer)を行なっているが、結果の解釈には十分な注意が必要と考えられた。次に、単球の組織因子(TF)の発現の確認を行ったが、UCの活動性に関わらず発現はほとんど認められなかった。また単球の分画について解析を行ったところCD14+CD16 intのIntermediateの分画が疾患活動性が上がると増加していることがわかった。また同時にCD14+CD16-の古典的単球が減少傾向にあった。CD14-CD16+の非古典的な単球は疾患活動性と明らかな関連は認めなかった。LDGsの(CD10+, CD15+/CD14low) 解析も行ったが症例によってはPBMC中にLDGsを認めたが、疾患活動性が高い場合でも必ず認めるわけではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LDGと好中球の遺伝子発現の比較を行う予定であったが、炎症性超疾患患者の特に疾患活動性が高い時に好中球が互いに接着するためか分離が難しく、好中球分離のアッセイを確立するのに時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
好中球分離を安定して行うことが可能になれば、フローサイトメーターでソーティングを行いLDGと好中球の遺伝子発現パターンの比較検討を行う。 また各単球の分画の遺伝子発現パターンの比較なども行なっていきたい。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサーでの解析の開始が、遅れたため使用予定であった費用が次年度に持ち越しになった。 次年度は次世代シーケンサーでの解析を行うため、シーケンサー用の試薬や解析ソフトの費用などに使用する予定である。 合わせて免疫染色の予定もしており令和3年度の研究費は染色用の抗体の費用にも充てる予定である。
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