2022 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁中細胞外小胞における分離法の確立と胆道癌診断の新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
20K16977
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
池田 千咲 山形大学, 医学部, 客員研究員 (60795706)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 細胞外小胞 / 胆管癌 / ヒト胆汁 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
胆管癌は予後不良な難治性癌であるが、病理学的診断困難例が多く存在しており、新たな診断法の確立が求められている。細胞外小胞(EV)は様々な細胞から分泌されており、癌の新規バイオマーカーとして注目されている。しかし血液などの循環体液中のEVは、体内で起こる全ての病態生理学的変化を反映し、同時に存在している他疾患の影響を受ける可能性がある。一方、胆汁などの非循環体液中のEVは、遠隔臓器で発生した事象の影響を受けにくい。さらに胆管癌と直に接触する胆汁は、他臓器由来の修飾が少ないと考えられることから、胆汁中EVには胆道疾患に特異性が高いバイオマーカーが存在し、癌の早期発見に寄与するではないかと考えた。そこで胆管癌における胆汁中EVを用いた新規バイオマーカーの探索を行った。これまでヒト体液におけるEV分離は、サンプルの粘稠度や夾雑物の多さにより、高純度という点で課題が残されていた。そこで希釈法、試薬の使用法、超遠心分離法を組み合わせて用いることで高純度EV分離を可能にする方法を確立した。次にこれらの高純度EVを用いて、胆管癌と胆管結石症の2群間におけるプロテオーム解析により、胆管癌診断に有用な候補蛋白質を検出した。またこれらの候補とされたEV内蛋白質濃度をELISA kitを用いて、胆管癌と胆管結石症の2群間で比較し胆管癌の診断マーカーとしてCLDN3が有用である可能性を示した。最後に胆管癌組織における免疫染色にてCLDN3の有意な発現を確認した。
|
Research Products
(1 results)