2022 Fiscal Year Research-status Report
膵液内cfDNAを用いたゲノムシーケンスによるIPMN組織亜型の分子病理学的解析
Project/Area Number |
20K16978
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小林 敏一 山形大学, 医学部, 助教 (60772944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IPMN / IPMN組織亜型 / ゲノムシーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
ERCPを施行するIPMN症例が年間20-25例、内科的精査を施行した後に外科にて手術を施行されるIPMN症例が年間10-15例と計画していたが、2019年12月頃から続くCOVID-19流行下の影響に続き、膵癌手術症例の増加に伴うIPMN手術症例の相対的な低下もあり、新規のIPMN手術症例が想定より少ない状況である。しかし、少数例ではあるが、23症例(2022年度まででは18症例)を対象としてIPMN症例から回収した膵液から cfDNAを抽出し、またそのうち10症例(2022年度まででは8症例)が手術されており、現時点でも膵液回収症例・手術件数ともに微増傾向である。 また、研究途中ではあるが中間報告も兼ねて学会発表(第109回日本消化器病学会総会、2023年4月・長崎)も行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ERCPを施行するIPMN症例が年間20-25例、内科的精査を施行した後に外科にて手術を施行されるIPMN症例が年間10-15例と計画していたが、2019年12月頃から続くCOVID-19流行下の影響に続き、膵癌手術症例の増加に伴うIPMN手術症例の相対的な低下もあり、新規のIPMN手術症例が想定より少ない状況である。しかし、少数例ではあるが、23症例(2022年度まででは18症例)を対象としてIPMN症例から回収した膵液から cfDNAを抽出し、またそのうち10症例(2022年度まででは8症例)が手術されており、現時点でも膵液回収症例・手術件数ともに微増傾向である。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した膵液からのcfDNA抽出は定性定量ともに良好な結果であった。このcfDNAは順に次世代シーケンサーによるゲノム解析を行なっているが、ERCP時・経鼻膵管ドレナージチューブからの膵液(ENPD膵液)、術後検体から直接回収した膵液(術後検体膵液)など、異なるシチュエーションであってもいずれの回収膵液からもゲノムシーケンスは可能であることも確認された。 現在は膵液採取症例、手術症例をさらに増やしつつ、抽出DNAをストックしており、次世代シーケンサーによるゲノム解析を一期的に行う予定としている段階である。9月頃までにシーケンスを終了し、10月中旬までにゲノム解析を終了し、データ解析まで行う予定としている。2023年度頭(4月)に中間報告として学会発表を行ったが、今年度中に得られたデータを追加しさらに検討も加えて学会報告を行い、2024-2025年度内に論文報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
NGSにてシーケンスを行う際には、ある程度まとまった数の検体ないとコストが高くなる傾向にあるため、シーケンスにかかる費用が浮いているため。また、研究対象となるIPMN症例が想定より少なく、cfDNA抽出などのシーケンス以外の実験試薬にかかる費用も想定より少額となったため。実際には想定数を見越して事前に試薬を購入に充てているが、 物流不安定(COVID-19流行の影響とともにウクライナ情勢も関係しているとのこと)により十分量確保に至っていない。また、学会活動費や論文作成に充てている費用も、浮いている状況である。余剰分は2023年度に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)