2022 Fiscal Year Annual Research Report
大腸鋸歯状病変に対する網羅的遺伝子発現解析による悪性化リスクの解明
Project/Area Number |
20K16980
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 大輔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40843157)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 大腸鋸歯状腺腫(SSAP) / 網羅的遺伝子発現解析 / MSI癌 / CDX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で大腸鋸歯状腺腫の網羅的遺伝子発現解析を本邦で初めて行った。内視鏡生検検体を用いてSSA/Pの網羅的遺伝子発現解析を行い、SSA/Pの特異的遺伝子発現パターンを同定した。遺伝子発現プロファイルの結果をもとに、Cluster解析、Pathway解析、Gene Set Enrichment (GSEA)解析などBioinformatic解析を行い、SSA/Pの発生のメカニズムに迫った。大腸癌を分子サブタイプにより分類するConsensus Molecular Subtypes (CMS)分類では約4000例の遺伝子解析データをサブタイピングし、そのデータを更にネットワーク解析で類似性の高い4つのクラスターに分類している。得られた遺伝子発現プロファイルを用いてCMS分類を施行した。得られた結果として①GSEA解析の結果でSSA/PはMSI癌との相関が得られた②CMS callerというBioinformatic解析ツールを用いて解析した結果90% (9/10)で、SSA/PはBRAF変異が多くマイクロサテライト不安定性が認められるサブタイプであるCMS1に分類されるという結果が得られ、いずれの結果からもSSA/PがMSI癌との相関が示唆され、悪性化のメカニズムに迫れる可能性と考えられた。またトランスクリプトーム解析の結果、大腸鋸歯状腺腫はその初期の段階よりCDX2の発現低下を認めていることが確認された。 またCDX2発現は免疫染色でSSA/Pの超初期から明らかに低下していることも確認できた。CDX2は腸の発生・分化・機能維持に必須とされているので、この超初期からの発現低下がSSA/P(SSL)発症に重要な役割を果たしていると考えられた。上記の内容をcancer medicine誌(doi: 10.1002/cam4.4810.)に報告した。
|
Research Products
(1 results)
-
[Journal Article] Transcriptome of sessile serrated adenoma/polyps is associated with MSI-high colorectal cancer and decreased expression of CDX22022
Author(s)
Daisuke Ohki, Nobutake Yamamichi, Yoshiki Sakaguchi, Yu Takahashi, Natsuko Kageyama-Yahara, Mitsue Yamamichi, Chihiro Takeuchi, Yosuke Tsuji, Yasuhiro Sakai, Kouhei Sakurai, Shuta Tomida, Kazuhiko Koike, Mitsuhiro Fujishiro
-
Journal Title
Cancer medicine
Volume: 11
Pages: 5066-5078
DOI
Peer Reviewed / Open Access