2022 Fiscal Year Research-status Report
消化管腫瘍性病変の病理学的評価における組織透明化技術の応用
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20K16981
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水谷 浩哉 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60864303)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 組織透明化技術 / 消化管腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに組織透明化のうえ撮像を終えた食道17検体、胃23検体、十二指腸2検体、大腸18検体の撮像データについては画像処理ソフトウェアであるNISElements Advanced Research(Nikon Corp., Tokyo, Japan)を用いて3次元再構築を行い、消化管腺管および血管構造などの把握および追跡に適した画像協調条件・画像処理方法について検討を行っている。元々は細胞核を標識するDAPI、血管内皮を標識するtomatolectinのそれぞれの蛍光特性から、励起波長/検出すべき蛍光波長を最適化していたが、これまでの撮像データを評価することによりさらに加えて血管内に残存した赤血球による自家蛍光を検出する目的で新たな励起波長/蛍光波長の条件を加えることにより、より粘膜内の血管構造の連続性の認識に寄与することを明らかにすることができた。 また共同研究者である東京大学工学部小野寺により、これまでのLUCID試薬よりもさらに透明化効率の高いとされるLUCID試薬(modified LUCID)の提供を受けており、これまでよりもさらに腫瘍深部までの詳細な撮像・3次元的評価が可能となることが期待される。 これを受けて今後は内視鏡的に切除された食道癌病変・食道粘膜において、切除前に内視鏡的に観察されたIPCL(上皮下乳頭内のループ状の毛細血管)のパターン変化について、その3次元構造の描出・解析等を予定している。またすでに撮像済みの3次元データを内視鏡像・病理像と比較することにより新規の評価可能性について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
OVID-19情勢による研究室機能の停止処置および診療業務体系の改変などに伴い、新規消化管検体の透明化処理やその解析が遅滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに透明化処理・3次元撮像の完了したデータを内視鏡像・病理像と比較することにより腫瘍範囲・深達度・脈管侵襲有無などの評価可能性について検討する。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅滞により未使用額が生じている。 次年度の研究進行に使用する見込み。
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