2022 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌分子標的薬治療の有害事象予測モデルを組み合わせた新規効果予測
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20K16993
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 龍 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (90834854)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子標的薬 / Lenvatinib / マイオカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能進行肝細胞癌に対し薬物療法の効果が実証され、実臨床でも複数薬剤が使用可能となっている。しかしながら、分子標的薬の有害事象・治療効果を事前に予測することは困難である。現在は免疫チェックポイント阻害薬との併用療法が実施可能であり、進行肝癌治療に対するキードラッグとして分子標的薬が期待されている。Lenvatinibは高い抗腫瘍効果を認める薬剤だが、有害事象により継続不能な症例を多く経験する。これまでの分子標的薬における検討は全て治療効果予測と腫瘍側因子の解析に終始しており、実臨床において重要な宿主側因子である有害事象予測と継続性(有効血中濃度維持)の視点が欠けている。分子標的薬の治療効果に加えて有害事象を事前に予測することが可能であれば、肝細胞癌治療法選択にとって極めて有用である。本研究の目的は切除不能進行肝細胞癌患者におけるLenvatinib投与前治療効果予測モデルと有害事象予測モデルを同時に検討することで、適切な分子標的薬選択基準を確立することである。 昨年度までに肝細胞癌への分子標的薬治療効果と臨床検査結果、治療経過、肝予備能、体組成計を用いた筋肉量/内臓脂肪との関連性についてデータ収集・検討を行った。また、骨格筋・体組成評価と血漿サイトカイン(マイオカイン)の関連性を検討するため、サイトカインパネルを用いて対象患者一部の検体測定を行った。 当該年度においては、測定結果をもとに最適な測定ポイント・アナライト数を特定の上で残検体に対して0週・4週・8週・12週における5アナライト(FABP、IL-6、BDNF、FSTL-1、LIF)を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度までに予定していた臨床検査結果、治療経過、肝予備能、体組成計を用いた筋肉量/内臓脂肪評価、骨格筋・体組成評価と血漿サイトカイン(マイオカイン)パネルを用いた測定は終了している。骨格筋・体組成評価とマイオカインの比較検討を行い、同時に有害事象の予測・継続性の事前予測が可能かの関連性を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
骨格筋・体組成評価とマイオカインの比較検討を行い、同時に有害事象の予測・継続性の事前予測が可能かの関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会がon line開催となったことにより次年度使用額が生じた。 次年度分での旅費・論文投稿費用等に使用予定である。
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