2022 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓がんに対する次世代型免疫療法開発にむけた腫瘍細胞に特異的な糖鎖構造の解析
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20K17001
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大熊 遼太朗 昭和大学, 医学部, 講師 (30833769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PIGR / Lectinアレイ / CAR-T |
Outline of Annual Research Achievements |
抗癌剤耐性や予後不良に関与する分子としてPIGRを同定し、CAR-T療法の標的抗原の候補とした。PIGRは腫瘍細胞だけでなく一部正常細胞にも発現し、CAR-T療法の標的抗原としては正常細胞をも傷害する可能性がある。我々は膵臓癌患者と健常者サンプルを用いてPIGRにおける糖鎖発現解析を行い、PIGRではLectinAが正常細胞に比較して腫瘍細胞で強く発現しており、正常細胞と腫瘍細胞との識別に有用と考えた。 Lectinアレイを用いて網羅的解析を実施し、ヒト乳癌細胞株MDA-MB-231においては正常細胞と比較して乳癌細胞株において高発現であるLectinが同定されており、PIGRと組み合わせた検討で腫瘍細胞と正常細胞とを分別できる可能性がある。Lectin数も多く現在詳細な解析を行っており、引き続き継続していく。 CAR-Tの作成に関しては、ウイルス感染やトランスポゾン法による既存のCD19等の作製には成功しており、マウスモデルでの系も使用できるようになった。 CAR-T細胞への搭載を検討しているPIGRに対する抗体作製について、マウスにPIGR抗原を注射し抗体を産生しているB細胞と不死化したがん細胞を人工的に融合させ、結合親和性や特異性に優れた有用なモノクローナル抗体を産生する細胞を選択しているが、良い抗体がまだ得られていないのが現状である。外部業者にも委託しながら進めており、抗体が得られ次第研究を進められる状況にある。 PIGR抗体が得られれば、PIGRと特異的に結合するCARを構築し、そのCAR-T細胞内に現在同定中のLectinAを搭載させ、Lectinと抗体の両方のシグナルが入ったときのみONとなるCARシステムを構築する方針である。既に条件検討は実施した。そしてLectin-CARの細胞障害活性及びサイトカイン産生能を解析し、抗腫瘍効果及び有害事象も検討していく。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Development of a novel cancer diagnostic method targeting glycosylation on specific molecules.2022
Author(s)
渡邊真, 家口勝昭, 大西伸幸, 五嶋翼, 大熊遼太朗, 鈴木梨沙子, 辻まゆみ, 木内祐二, 角田卓也, 内田直樹, 小林真一, 和田聡.
Organizer
第96回日本薬理学会年会/第43回日本臨床薬理学会学術総会