2020 Fiscal Year Research-status Report
オルガノイド培養による原発性硬化性胆管炎の細胞外小胞を介した新規炎症機序の解明
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20K17010
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
勝見 智大 山形大学, 医学部, 助教 (70637355)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | EVs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では胆管障害後の再生反応と考えられている細胆管増生反応細胞が炎症と線維化を惹起する主細胞であることを明らかにし、その制御因子として EVsが病態形成に関与していることを培養細胞及びPSCモデルマウスからの細胆管増生細胞オルガノイド樹立実験により解明することを目的としている。令和2年度の研究計画としては、胆管上皮細胞由来EVs中のDAMP S100A11の炎症誘導機序の証明と確立としている。EVs中のDAMP S100A11がPSC炎症誘導因子であることを validationするため、申請者らが以前に示した「マウス胆管上皮 細胞株由来EVs中のS100A11がマクロファージを活性化しさら に線維化をも惹起する」事象を異なるアプローチで再検証した。 そのためにまずマウス胆管上皮細胞株603Bを培養しそのEVsを超遠心法にて回収した。今回の追加検討としてS100A11中和抗体を投与し、EVs中のS100A11を中和することでマクロファージ活性化が抑制されうるかを検証したが、中和抗体による抑制が十分でなく検証は保留とした。別の方法として、発現ベクターによるRNA干渉 (shRNA)を行い、 603B細胞中S100A11発現をノックダウンすることに成功した。現在は培養を継続しEVs採取を予定している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の通りの検証ができており、中和抗体効果が不十分であったが、siRNA検証ができているため順調な経過とした。
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Strategy for Future Research Activity |
S100A11 shRNA 603Bから同様の手法でEVsを 回収し、ナノトラッキング法 (NTA) にてEVsの質的・量的解析を行う。濃度を調節したEVs をBMDMに刺激し活性効果を比較することでS100A11が炎症・線維化を誘導する事を証明す る。仮に中和化やノックダウン効率が悪い場合は、抗体濃度を調節するほかベクター種類を 変更するなど細胞にマッチした条件を検証しながら対処していく。
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Causes of Carryover |
今年度の予算としては当教室内で所持していたものを使用できたため、次年度予算額として繰り越した。
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