2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of innovative diagnostic and therapeutic methods for esophageal squamous cell carcinoma focusing on genomic abnormalities
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20K17012
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
明杖 直樹 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40836110)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食道SCC / ESD後瘢痕部 / 背景粘膜 / 体細胞変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道SCCに対して、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した14症例よりSCCと背景粘膜から組織を採取した。そのうち、7症例で上部内視鏡検査フォロー時にESD後瘢痕部から組織を採取した。In houseで作成した食道癌関連70遺伝子の全エクソン領域を対象とする系を用いて次世代シークエンス解析を行い、体細胞変異を同定した。また、OncoKBを参照して各変異がoncogenicか否かを判定した。SCCではTP53の変異が13例93%、背景粘膜ではNOTCH1変異が13例93%と最も頻度の高い変異であった。瘢痕を採取できた7症例に限ると、SCCでは11遺伝子で21変異、瘢痕部では20遺伝子で34変異、背景粘膜では23遺伝子で66変異を認めた。また、変異のallele頻度(%)はSCCで有意に高かった(33[3-81]vs23[3-63]vs8[3-78], p=0.002)。oncogenicな変異は、SCCで5症例7変異、瘢痕部で1症例1変異、背景粘膜で3症例4変異であった。瘢痕部では4症例でNOTCH1変異を認め、最も頻度の高い変異であった。3症例においては瘢痕部と背景粘膜に一致する変異を認めた。一方で、1症例の瘢痕部では変異が全く存在しなかった。一部の症例では瘢痕に至る過程で体細胞変異がキャンセルされていたが、多くの再生粘膜には遺伝子変異を認め、背景粘膜に蓄積された変異を有した細胞が再生してくるためと考えられた。食道SCC症例においては、再生粘膜にもそれらの背景粘膜の遺伝子変異が反映されることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の確保が予定通り進み、解析を順次行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も症例の蓄積と、中期経過などの解析を加えることで、厚みのある研究にしていく。
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Causes of Carryover |
翌年度以降の解析用の試薬や物品に使用する予定です。
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