2020 Fiscal Year Research-status Report
NAFLD in university students with obesity
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20K17013
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 朋子 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 助教 (80747436)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / 肥満 / 若年者 / 学生 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国では食習慣の欧米化や運動量の低下などに伴い肥満人口が増加し、非飲酒者に生じた脂肪性肝疾患全体を示す非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;NAFLD)は肝疾患の中で最も頻度が高く、成人検診におけるNAFLD合併率は男性の20~30%、女性の10~20%にも上るほどCommon Diseaseとなっている。 NAFLDはその一部で肝に炎症・線維化を起こした非アルコール性脂肪肝炎( non-alcoholic steatohepatitis; NASH )の状態に至り、さらにその一部で肝硬変・肝癌に進展しうる。ウイルス肝炎の治療が飛躍的に進歩し、NASH/NAFLDのようにウイルス肝炎を原因としない肝細胞癌の割合・絶対数が増加しており対策が急務となっている。 近年特定の腸内細菌が腸以外の臓器の炎症性疾患に関与することが報告されており、NASH/NAFLDに関しても、腸内細菌叢の変化が発症および増悪に関与することが示唆されている。一方肥満の指標として知られるBMIに加えて体脂肪量・体脂肪率や骨格筋量などの「体組成」と肝疾患の関連性も指摘されている。 若年者においても肥満およびNAFLDの増加が全世界的に問題となっている。実際に本学においても「肥満」とされるBMI25以上者は学生の5~10%、職員の約20%を占めている。 肥満歴が相対的に短いと考えられる若年者において上記のような知見があてはまるのかについては未知の点も多い。 このような背景より、本研究は様々なBMIの若年者についてサイトカイン、糞便などの臨床検体や脂肪肝の有無、生活習慣・体組成などのデータを収集することにより若年者の肥満における肝臓への影響について検討することを目的としており、初年度は被験者かを募集し臨床データを収集することに注力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在検体・データ収集の時期であるため現状での学術的成果物はないが、本研究では96名の研究協力者を目標に募集しており、2021年1月から4月までに81名の研究協力者があったことから、研究は円滑に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者96名を目指して引き続き募集する。 2021年8月頃を目途に、収集した糞便を用いて16S rRNA PCRを行い、菌叢解析する。この結果及び血液検査、体組成、生活習慣、腹部超音波検査などの臨床情報を元に、若年者の肥満あるいは脂肪肝に対する腸内細菌叢その他の因子の影響について解析を行う。
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Causes of Carryover |
検体は81名分発注したが、一部は結果の納品が4月以降になるため納品後の決済となる。 次年度使用額をこれに使用する。
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