2022 Fiscal Year Annual Research Report
NAFLD in university students with obesity
Project/Area Number |
20K17013
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齊藤 朋子 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 助教 (80747436)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糞便細菌叢 / NAFLD / 肥満 / 腸内細菌 / 耐糖能 / 脂質代謝 / 脂肪肝 / 体組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease: NAFLD)が、肥満人口の増加と共に近年、若年者においても問題となっており、本研究では学生より得られた腸内細菌叢を含む情報を統合的に解析し、医療機関受診前の段階にあるNAFLDの実情を明らかにすべく検討を行った。 研究代表者の所属する大学に在学する18歳以上25歳未満の、治療中の疾患の無い大学生・大学院生を対象とし、生活習慣、身体所見、血液検査、超音波検査を行い評価した。また、糞便を採取し検討した。 結果、研究参加に同意した87名(男性52名、女性35名)の若年成人について解析を行った。そのうち脂肪肝35名(38%)、肥満28名(32%)であった。脂肪肝および肥満の有無により4群に分けて検討したところ、肥満を伴う脂肪肝(Ob/FL)の群のみ軽度の肝障害を認め、肥満・脂肪肝のいずれも認めない健常者に比べ耐糖能や脂質代謝の変化を認めていることが判明した。一方で、肥満を伴わない脂肪肝の群はいずれの検査値も健常者と差は認められず、肝機能異常も認めなかった。健常者とOb/FL群の腸内細菌の菌叢構成について比較したところ、BMIや体脂肪量と負の相関を認めるRuminococcaceaeやOscillospiraceaeはLEfSeにて健常者で特徴的な菌として抽出され、脂質異常と正の相関を認めるBacilliやVeillonellaceaeがOb/FL群で特徴的な菌として抽出された。 以上から若年であっても既に肝機能障害を伴うNAFLDの症例がおり、同年代の健常者に比べ生活習慣病に関連する検査所見の変化を伴っていた。また、特徴的な腸内細菌構成を認めていることが判明し、菌叢構成の評価がNAFLDの病前状態におけるリスク評価ツールや治療標的となる可能性があることが判明した。
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