2021 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーとデジタルPCRを用いた、肝細胞癌治療モニタリング法の開発
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20K17029
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 彰子 岩手医科大学, 医学部, 任期付助教 (70866558)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Cell-Free DNA BCT採血管 / 死後病理解剖 / ctDNA / dPCR / 進行肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
治療前の原発腫瘍組織の生検が避けられてきた切除不能肝細胞癌について、原発腫瘍組織の遺伝情報を個別化バイオマーカーとした、治療効果予測及び主要量評価を実現するための基礎的資料を得ることを目的とした研究を行なっている。 具体的には、①腫瘍生検と比較し低侵襲な、採血によって得られるctDNAを対象とした次世代シーケンサー(NGS)解析により追跡すべき遺伝子変異を特定する。②死後病理解剖で原発腫瘍組織採取する量的・部位的優位性から、腫瘍内ヘテロ不均一性、癌の進化、薬剤抵抗性を解析する。以上2点について検討を行なっている。 本年度は、対象となる20症例の登録が完了し、治療経過中のctDNAの保存およびパネルシークエンスを随時進めてきた。 また、登録した症例のうち5例については死後病理サンプルを既に採取しており、5症例のうち4症例は2021年度第1回 文部科学省科学研究費 新学術領域研究「先進ゲノム支援」の支援を受け、東京大学大学院新領域創世科学研究科メディカル情報生命鈴木穣研究室ですでにエクソーム解析を終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度第1回 文部科学省科学研究費 新学術領域研究「先進ゲノム支援」の支援を受け、死後病理解剖組織のエクソームシークエンス解析が可能となった。 それにより、科研費申請当初の内容をより発展させ、病理解剖から得られる腫瘍内、腫瘍間の空間的なゲノム情報により①腫瘍内のヘテロ不均一性の理解②抗癌剤治療が腫瘍に引き起こす時間的なゲノム情報の変化による癌の進化、薬剤抵抗性獲得機序の理解につながることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ctDNAによる体細胞変異の検出とdPCRによる体内腫瘍量の継時的評価(継続):2年間の観察期間が終了した症例から随時、NGSを用いた遺伝子パネル検査により各症例の体細胞変異を解析する。同定した体細胞変異について、ctDNAの変異アリル頻度(腫瘍由来DNAの血中全DNAに対する比率, VAFをdPCRで経時的に測定する。 (2)死後採取腫瘍検体シークエンス解析(継続):病理解剖で得られた原発腫瘍組織のうち、残り1検体のエクソーム解析を終了する。 (3)死後採取腫瘍検体組織と死亡前治療経過中の腫瘍由来血中循環DNAとの比較検証:a. エクソームシークエンスデータを用いた数理学的オミックス解析を行い、原発巣ならびに転移巣の多様性のレベルを評価する。具体的には、エクソームシークエンスとSNP解析を並施して、copy number variant/copy number alterlationで進化系統樹を描き、clonalとsub-clonalを明らかにする。
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Causes of Carryover |
「先進ゲノム支援」による支援により、死後腫瘍組織のエクソームシークエンス解析にかかる費用が抑えられた。 残った費用は次年度のシークエンス解析に使用する予定である。
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