2021 Fiscal Year Annual Research Report
抗PD-1抗体薬の受容体結合率と有効性及び副作用との相関性解析
Project/Area Number |
20K17033
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
平澤 優弥 昭和大学, 医学部, 助教 (30834121)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害 / 抗PD-1抗体 / 受容体 / 有効性 / 副作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitors : ICIs)の有効性および副作用と受容体結合率の関連性を明らかにすることである。免疫チェックポイント阻害薬である抗PD-1抗体薬は、T細胞のPD-1受容体を標的とする。PD-1受容体に対する抗PD-1抗体薬の結合率は、有効性や副作用に関係している可能性がある。その関係性を明らかにするため、がん患者において、抗PD-1抗体薬であるニボルマブによる末梢血Tリンパ球上のPD-1受容体の結合率を測定し、薬力学的解析を行い、主に次の2点を解明することが本研究の具体的な目的である。(1)ICIsの有効群と無効群に受容体結合率の違いが存在するか。(2)ICIsの副作用(免疫関連有害事象)を生じた群と生じなかった群に受容体結合率の違いが存在するか。受容体結合率が有効性や副作用に関連していた場合、既存薬剤の有効性を向上したり、重篤な副作用を予測することを目的とした研究に発展させる。2021年度はニボルマブ単剤療法(抗PD-1抗体)を施行された32例において、治療開始前と2コース目投与前に血液検体を採取し、末梢血単核球を分離し、フローサイトメトリーによる解析を行った。ニボルマブがIgG4抗体由来のため、抗IgG4抗体を用いてニボルマブによるT細胞上のPD-1受容体の結合率(飽和度)の解析を行い、各T細胞分画の受容体結合率と予後および免疫関連有害事象との関係を明らかにした。研究の結果、抗PD-1抗体を用いた薬物療法において、eTregとTh17における受容体占拠率が予後予測因子となる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] 免疫チェックポイント阻害薬の受容体占拠率と有効性・有害事象との関連2021
Author(s)
細沼雅弘, 平澤優弥, 成川陽一郎, 村山正和, 志田みどり, 有泉裕嗣, 石黒智之, 大熊 遼太朗, 久保田祐太郎, 堀池篤, 和田聡, 鶴谷純司, 小林真一, 倉増敦朗, 角田卓也, 吉村清
Organizer
第25回 日本がん免疫学会