2021 Fiscal Year Research-status Report
FGF19・FGFR4シグナル阻害による肝癌分子標的薬の新規治療戦略
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20K17041
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神崎 洋彰 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10835086)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | FGF19 / FGFR4 / HCC / MKI / 耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝癌細胞株Huh7,JHH7細胞において,3ヶ月以上かけてソラフェニブおよびレンバチニブを投与することにより耐性細胞株を作成した。それぞれの耐性細胞株におけるFGF19分泌能を測定すると、コントロールと比較して、ソラフェニブ耐性細胞株ではFGF19の分泌能が上昇し、一方でレンバチニブ耐性細胞株ではFGF19分泌能が低下していた。耐性細胞株において、FGF19-FGFR4シグナルの下流の分子であるpFRS2αやpERKはソラフェニブ耐性細胞株ではでは増強していたのに対し、レンバチニブ耐性細胞株では減弱していた。ソラフェニブ耐性細胞株に対し、FGFR4阻害薬と併用することで、増強していたpFRS2αやpERKは抑制された。進行肝細胞癌患者におけるソラフェニブ投与後(n=51)の血清FGF19を測定すると治療前と比較して血清FGF19は上昇していたが、レンバチニブ投与後(n=20)の血清FGF19を測定すると治療前と比較して血清FGF19に変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝癌細胞株を用いた検証、ELISAによる分子標的薬投与患者の血清FGF19濃度測定が同時並行で概ね順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性化に関する検証、特にレンバチニブ耐性化機序の解明や克服について、FGF19-FGFR4以外の他のシグナルや他のTKIを併用した検討を肝癌細胞株を用いて行う。また免疫不全マウスを用いたマルチチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性化に関する検証を行う。
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Causes of Carryover |
本年度では免疫不全マウスを用いたマルチチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性化に関する検証を行うことができなかったため次年度使用額が生じたと考える。次年度ではそれらの検証に使用する計画である。
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