2021 Fiscal Year Research-status Report
対向型塩基損傷に対するDNA修復の検証-炎症性発がんのメカニズムの探求-
Project/Area Number |
20K17055
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
森脇 隆仁 川崎医科大学, 医学部, 助教 (60734100)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | DNA修復 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症と発がんは密接に関連していることが知られている。炎症性発がんの背景として、炎症部位では突然変異の頻度が上昇していることが報告されている。本研究では炎症部位における高頻度の突然変異は8-オクソグアニンとウラシルが同一塩基対上に対向して存在する、対向型DNA損傷によって生じると仮説をたて検証を行っている。2020年度には対向型DNA損傷の修復能を評価する系の一つとして、DNA結合能を評価するゲルシフトアッセイの確立を行い、検出に成功した。 2021年度は2020年度に引き続き、対向型DNA損傷の修復タンパク質の探索を行った。2021年度は、これまでの対向型DNA損傷の検出系の改良を行った。具体的には、反応条件、細胞種について詳細な検討を行った。これまでHeLa細胞を用いて研究を行ってたが、それに加え、異なる組織由来の細胞を用いて探索に最も最適な細胞の選択を行った。また反応条件の検討も行い、質量分析による修復タンパク質の同定に向けて、各実験系を最適化した。また修復タンパク質の結合能だけでなく、修復活性を直接評価する系の確立をおこなった。具体的には、DNAグリコシラーゼ活性を評価するニッキングアッセイ及び、DNAライエース活性を評価するトラッピングアッセイの確立を行った。これらの実験系が機能することを確認した一方で現在用いている対向型DNA損傷の基質のデザインに問題点があったことが判明したため、現在デザインを改め、これまでの研究結果の再確認を行っているところである。実験結果の再現が取れ次第、質量分析による修復タンパク質の同定を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響で物流が滞り試薬の調達等に時間がかかり、進捗の遅れが生じた。その一方で、必要な実験系の改良が十分になされてたため、必要試薬の調達が完了し次第実験に取り掛かれる状態に準備が完了している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021度に改良を加えた検出系を用いて対向型DNA損傷に結合するタンパク質の同定及びその活性の測定を行う。実験系に関しては昨年度に十分な改良を加えたため、必要な材料が整い次第実験を行っていく。
|
Causes of Carryover |
実験に用いた試薬が当初の予定より安価に入手できたために差額が生じた。この差額は2022年度の消耗品の購入に使用する予定である。
|
-
-
-
[Presentation] A case of atypical Coffin-Siris syndrome with a novel nonsense mutation in the ARID1B gene.2021
Author(s)
Sofronova Viktoriia, Naka Mami, Yu Fukushima, Moriwaki Takahito, Nagata Miho, Ishihara Yasuki, Yonei Ayumi, Asano Yoshihiro, Masuno Mitsuo, Yamanouchi Yasuko, Otomo Takanobu
Organizer
日本人類遺伝学会