2022 Fiscal Year Annual Research Report
Age-related changes in innate immune regulation by NKT / NK cells and exacerbation mechanism in fatty liver disease
Project/Area Number |
20K17063
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中寺 英介 順天堂大学, 医学部, 助教 (20596225)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NASH / 加齢 / NKT細胞 / NK細胞 / CD1dノックアウトマウス / Vα14ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では加齢によるNKT細胞を軸とした自然免疫制御の変化が脂肪性肝疾患の病態の変化にどのように関与するかを明らかにすることを目的とした。Ⅰ型NKT細胞を欠損するマウス(Vα14KO)と全NKT細胞を欠損するマウス(CD1dKO)と、欠損部位の異なる2種類の成熟NKT細胞ノックアウトマウスを用い、さらに若年(8週齢)/高齢(55週齢)マウスを用いることで加齢による脂肪肝炎の増悪機序におけるNKT細胞の役割を解析した。各マウスに高脂肪高コレステロール食(HFHC)もしくは通常食を8週間投与して比較した。 高齢マウスでは若年マウスと比して血清ALT値の有意な上昇を伴う顕著な脂肪肝炎を生じたが、VαKOで脂肪肝炎像の軽減と血清ALT値の有意な低下を認め、CD1dKOではVαKOよりALT値がさらに低下した。HFHC摂餌高齢マウスではHFHCで肝細胞周囲の線維化を認めたのに対して、Vα KOおよびCD1d KOマウスでは線維形成を生じなかった。HFHCを与えた高齢マウスでは肝組織中のTLR4およびTNFα、IL-1βの発現が若年のHFHC摂餌マウスより有意に亢進し、Vα KOおよびCD1d KOで有意に発現が低下したが、VαとCD1d KOの間では差がなかった。一方、ケモカインのCCL2およびCXCL2の発現はHFHCを与えた高齢マウスで発現が亢進したのに対してVαKOでは野生型と差がなく、CD1dKOで有意に発現が低下した。TGFβおよびCOL1A1の発現もHFHCを与えた高齢野生型マウスで有意に発現が亢進し、Vα KOおよびCD1dKOで同等の発現低下を認めた。よって、加齢による脂肪肝炎の増悪において、type I NKT細胞は炎症性サイトカインの亢進および線維化進展に寄与する一方で、type II NKT細胞はケモカイン発現の亢進を介して病態に促進的に寄与することが示された。
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Research Products
(6 results)