2022 Fiscal Year Annual Research Report
Manipulating histone modification to induce cardiac proliferation and heart regeneration
Project/Area Number |
20K17070
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
広藤 愛菜 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70847516)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 心筋再生 / 細胞分裂 / ヒストン修飾 / エピジェネティクス / H3K9me3 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳動物では心筋細胞が十分な分裂能力を持っていないため、心臓の再生が起こらないと考えられている。我々は、心筋細胞の分裂を抑制するメカニズムに、メチル化ヒストン修飾H3K9me3が関与することを以前に発見した。本研究は、H3K9me3が心筋細胞の分裂を制御するメカニズムを解明し、H3K9me3を標的として心筋を再生することができるかどうかを明らかにすることを目的として行った。 2021年度は、期待に反してAAV-KDM4D (アデノ随伴ウイルスベクターを用いたH3K9me3の消去)は、成熟心筋細胞に分裂を誘導できないことが示された。この結果をふまえて、2022年度はワシントン大学のMacLellan研究室と共同で、成熟心筋細胞により効率よくKDM4D発現を誘導できる遺伝子改変マウスを用いて、細胞分裂活性に対する影響を解析した。しかし、AAVベクターを用いた結果と同様に、分裂活性の上昇は認められなかった。成熟した心筋細胞にKDM4Dを発現させても細胞分裂を誘導できないことから、H3K9me3は心筋細胞が細胞周期から逸脱する過程に必要であるが、いったん細胞周期から逸脱するとその維持には必須ではないと考えられる。これらの結果から、成熟した心筋細胞でH3K9me3を消去しても心筋再生治療への応用へは繋がらないと考えられた。そこで、H3K9me3が心筋細胞の分裂を制御するメカニズムを解明するために、心臓の発生段階からKDM4Dを発現させた場合と、成熟し心筋細胞でKDM4Dを発現させた場合で、エピゲノムに与える影響がどう違うのかを比較する実験を開始した。並行して、AAVベクターを使い成熟心筋細胞に分裂を誘導できる因子の探索を行い、マウスの成熟心筋細胞に有糸分裂を誘導できる因子を発見した。
|
Research Products
(3 results)