2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the organ-specific lymphatic vessel development
Project/Area Number |
20K17072
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 和晃 三重大学, 医学系研究科, 助教 (90821984)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ管 / 血管 / リンパ管奇形 / 脈管奇形 / 心臓発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ管内皮細胞(LECs)は静脈内皮細胞からの出芽(lymphangiogenesis)による単一起源に由来すると考えられてきた。申請者らは、心臓リンパ管の独自起源や発生を制御するシグナルが存在する事を報告した(Maruyama et al., Dev bio, 2019, Maruyama et al., iScience, 2021)。すなわち、心臓構成細胞である転写因子Islet1(Isl1)を発現する未分化中胚葉細胞の分化により心臓リンパ管の50-60%が形成される。さらに、申請者が同定した心臓リンパ管起源が、頭頸部筋肉・心筋の起源として近年同定された心臓咽頭中胚葉 (CPM)であるという事を明らかにした (Maruyama et al. , eLife. 2022)。つまり、申請者の一連の業績により、リンパ管には大きく2種類の起源があり、頭頸部・縦隔・心臓では、転写因子Isl1陽性のCPMの分化転換により、リンパ管網が形成される事が明らかとなった。本研究により、頭頸部のリンパ管は少なくとも尾索動物(ホヤ)以降に存在するCPMの分化により形成される事がわかり、頭頸部の血管・リンパ管が顔面頭頸部の筋肉や、結合組織など軟部組織とともに発生してきた事が明らかとなった。加えて原因不明の難治性疾患であるリンパ管、血管奇形は頭頸部に限局して生じることが事が多いことがわかっているが、本研究により同領域のリンパ管・血管は体幹部とは細胞起源が異なることがわかり、なぜ、血管腫、脈管奇形の好発部位が存在するのか今後疾患の病因解明にも繋がる知見である。
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Research Products
(14 results)