2021 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNA蓄積が関与する心不全メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K17079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 宏達 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (30865746)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心不全 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、まず心不全期におけるDNase II発現量制御機構について解明をすすめた。心不全期においてDNase IIの発現を低下させる分子機序として、microRNA(miR)がその制御に関与すると仮説を立て、DNase II発現制御に関わるmiRを網羅的にスクリーニングすることで複数の候補を同定した。この中でDNase II発現抑制に強く関与し、かつマウス心不全期において発現増加が認められるmiRの候補を選定し、ヒト不全心においてもこれらのmiRの発現が認められるかをFISH法を用いて確認した。さらに同定したmiRがヒト心不全においてもマウス同様に発現増加が認められることを確認した。 同定したmiR抑制による、DNase II発現増強による心不全治療効果を検討するために、最も安定的に強い発現抑制を得られると想定された、miRの相補的配列を複数有する人工的核酸分子であるmiR-decoyを心筋細胞に強制発現させるAAV9の設計および合成を行った。これを細胞やマウス生体に投与しその効果を確認した。投与量や投与方法を最適化したものの、これによるmiR抑制効果が十分に得られなかった。miRの抑制のための代替方法を検討しこれを進めている。
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