2020 Fiscal Year Research-status Report
本邦における循環器疾患の癌合併率と予後に与える影響の検討
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20K17084
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大櫛 祐一郎 徳島大学, 病院, 医員 (10868780)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がん / 静脈血栓塞栓症 / 心筋梗塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,高齢化でがん患者が増加し,がん治療の進歩 に伴いがん生存者が増加する一方で,がん疾患自体やがん治療が循環器疾患の生命予後を悪化させることが報告されている.実臨床でのデータや情報が他領域に比べると乏しく,発表されている研究の多くは欧米でのデータが元となっており, 癌患者の種類別発症頻度も欧米と異なる本邦でそのまま適応できるか明らかでない.本研究の目的は,本邦におけるがんと循環器疾患との関連性について解析し,入院中死亡や入院期間,心血管イベントの増加に影響を与えているかを調査することである.本年度は,データの解析を行い,一部の研究結果について学会発表や論文投稿を行った.まず,国立循環器病研究センターに訪問し,日本循環器学会の全国データベースであるJROAD-DPCのレジストリデータが入ったハードディスクを受け取った.施設内に施錠可能な解析室を増築し,ハードディスクや解析用パソコンを施錠管理し,入退室者の管理も行った.JROAD-DPCはビッグデータであり,大容量のデータを解析するため,解析ソフトのJMP,SASを購入した.研究はレジストリデータから,がんの既往と,心筋梗塞や静脈血栓塞栓症などの心血管疾患の予後との関連を解析した.また,癌の種類別に予後と関連があるかも検討した.がんと静脈血栓塞栓症の研究内容についてはAmerican Heart Associationの国際学会や日本循環器学会学術集会で発表した.また,研究結果をまとめた論文を作成し,Journal of the American Heart Associationに投稿したところ,まだ印刷中だが,acceptされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたデータ解析は既に全て終了し,がんの既往と静脈血栓塞栓症の研究内容についての論文は投稿し,印刷中だが,acceptされた.また,研究内容についての学会発表も日本循環器学会学術集会やAmerican Heart Associationの学会など主要な学会で発表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
がんの既往と心筋梗塞の予後に関する解析研究は既に終えており,今後は研究結果についてまとめた後,論文を作成し海外ジャーナルへ投稿したり,主要な学会での発表を予定している.
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Causes of Carryover |
本年度はCOVID-19感染症の影響のため,学会の中止やWebでの開催が多かった.そのため,当初予定していた学会出張費を一部使用しなかったため,次年度使用額が生じた. 翌年度分として請求した研究費と合わせて,英文校正費や論文投稿費に使用する予定である.
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Research Products
(2 results)