2023 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞後左室リモデリング における修復性単球による心臓組織修復機序の解明
Project/Area Number |
20K17086
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
香月 俊輔 九州大学, 大学病院, 助教 (60641016)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 心筋梗塞 / 心筋組織修復 / 炎症 / 単球 / ワクチン / オミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管病なかでも最も重篤な病態である急性心筋梗塞後の心不全患者の増加は未解決の医学的課題である。近年、申請者は心血管病における炎症の鍵となる単球/マクロファージに多様な形質が存在することを報告した。中でも「CCR2を高発現する炎症性単球(Ly-6ChighCCR2陽性単球)」は虚血再灌流傷害早期の炎症過程に、「CX3CR1を高発現する修復性単球(Ly-6ClowCX3CR1単球)」は梗塞後の心臓組織修復の過程において重要な役割を果たすことが想定されている。我々はLy-6Cワクチンを用いた炎症性単球の除去により、左室リモデリングにおける修復性単球の心臓組織修復機序解明を計画した。Red-greenマウスの左前下行枝を結紮したマウス心筋梗塞の心筋梗塞後3日目、7日目に心筋を採取し、3日目にRFP陽性のCCR2陽性単球が、7日目にGFP陽性のCX3CR1陽性単球が虚血心筋に集積することを確認した。炎症性単球の除去のため血中にLy-6C抗体を誘導する複数のLy-6Cワクチン(ペプチドワクチン)を大阪大学大学院健康発達医学との共同研究により開発した。当ワクチンとキャリア蛋白であるKLHのconjugateを、免疫応答強度を高めるアジュバントとともに、2週ごとに計3回の皮下注射することにより、Ly-6C抗体の産生が確認された。Ly-6Cワクチン投与群ではコントロールワクチン投与群と比較し、末梢血Ly-6C単球の減少傾向が示された。今後、Ly-6Cワクチンによる単球除去により、修復性単球の梗塞後心筋への集積機構を解明する。
|