2022 Fiscal Year Research-status Report
低酸素曝露動物モデルにおいてT型Caチャネル阻害剤に胎児遺伝子抑制作用はあるか
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20K17089
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐々木 誠 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (90710963)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | T型カルシウムチャネル阻害剤 / 肺高血圧 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初使用予定だったT型カルシウムチャネル阻害剤が横紋筋融解を起こすことが報告されたため、使用する予定だった薬剤を別のT型カルシウムチャネル阻害剤に変更した。今後使用予定のT型カルシウムチャネル阻害剤に関しても、内服した場合に循環抑制を起こすことが報告されている。これらの副作用報告を鑑み、T型カルシウムチャネル阻害剤の投与量を減量する方法を検討し、最終的に投与経路を変更することとした。投与経路を経気管投与に変更し、対象疾患を肺高血圧症に絞った。研究計画書を改めて作成し直し、所属施設の倫理委員会に申請し、研究の許可を頂いた。先行研究を参考にしながら、ラットに薬剤を吸入させる方法を検討し、吸入装置を作成した。吸入装置によってラットの末梢気道まで薬剤がデリバリーできているかどうかを確認するために、メチレンブルー溶液をラットに吸入させる予備実験を行った。メチレンブルーを吸入させたラットの肺を取り出し、プレパラートを作成。肺胞が染色されているかどうかを確認するために顕微鏡的にプレパラートを確認した。現在、吸入させる薬剤の適切な用量や投与時間、投与方法などの条件検討を行っている。低酸素環境を作るための装置は準備が整ったため、上記の予備実験によって吸入方法に関する条件検討が終わり次第、低酸素環境でラットを飼育し、T型カルシウムチャネル阻害剤の経気管投与で肺高血圧症の進行を抑制できるかどうかを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
投与予定だった薬剤に横紋筋融解症の副作用が報告された。また投与量によっては重大な心血管合併症を引き起こすことも報告されていたため、薬剤の投与経路変更と投与量の調整が必要であると判断した。そのため、新たな研究計画を作成し、倫理委員会に申請を行ったため時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず予備実験として、低酸素環境下においたラットにT型カルシウムチャネル阻害剤を吸入させる場合の適切な投与量を調べる予定である。これは細胞内のシグナルの変化を確認することで決定する。その後、本試験としてラットを長期間低酸素環境下で飼育し、T型カルシウムチャネル阻害剤の吸入が肺高血圧の進展や肺動脈の病理学的な変化を抑制するかどうかを確認する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更および倫理委員会への申請などに時間を要し、研究の遂行が遅れたため、研究費を次年度に繰り越した。次年度の本試験を行う際に研究費を活用する予定である。
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