2020 Fiscal Year Research-status Report
Early marker to defect cardiac dysfunction in patients with type 1 diabetes mellitus and effect of exercise
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20K17096
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
磯 武史 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80868191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 糖尿病性心筋症 / 終末糖化産物 / 心室壁運動解析 / 左心室内圧較差 / 運動療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
諸計画書にあるように、1型糖尿病による糖尿病性心筋症の早期発見及び運動療法による心機能の改善が得られるかを検討するため、心機能評価のための画像解析ソフトなど研究備品の購入を行った。 また、以前に習得した1型糖尿病患者の心臓超音波検査データを使用して心臓拡張能に重要な左房機能の解析を行い、多くの左房壁伸縮機能が患者群で低下していることを明らかにし、Pediatric Diabetesに2021年3月に掲載された。 しかしCOVID-19の世界的な流行によって医療をとりまく状況が大きく変化してしまった。初年度には、1型糖尿病患者の従来の方法、層別心室壁運動解析、左室内圧較差による心機能評価を行い、同時に血糖、HbA1c、終末糖化産物を測定し、横断的な心機能評価と終末糖化産物の関連を評価する予定であった。しかし、心臓超音波検査は被検者と検者が密室で長時間密接する検査であり、COVID-19の院内感染の危険因子となりうるため、中止を余儀なくされた。そこで心臓超音波検査に代わる検査方法として24時間心電図検査による心拍変動解析を行う計画を立て直した。心拍変動解析とは、心機能を制御するシステムである自律神経の状態を評価することにより、心機能よりも上位の循環動態指標を評価する方法である。過去には心臓超音波検査による最も基本的な心機能指標である左室駆出率よりも糖尿病患者における予後予測に有用であるとする報告も存在する。また近年、非線形解析法の導入により、以前よりも正確に自律神経機能評価が可能となる解析方法が開発されてきた。この24時間心電図検査は、患者との接触は心電図を取り付ける短時間のみであるためにCOVID-19流行時に相応しい、安全な方法であると考えた。以上の計画を再立案し、24時間心電図計を購入した。現在は正常対照群のデータを収集し、解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記理由により本研究に必須であった心臓超音波検査の実施が社会的にできなくなったため、研究計画の再立案が必要であった。また、運動療法のプログラムを開発するにあたって実際に1型糖尿病患者に実施してもらい、血糖推移を確認しながらプログラムの調整とプロトコールの作成を行う予定であったが、運動療法の指導時の呼気量の増大に伴うエアロゾル発生を懸念してプログラム開発を一旦保留にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在もCOVID-19の流行により、東京は非常事態宣言が発令されている。今後も暫くは心臓超音波検査は不可能であると考えられる。 そこで代替案の24時間心電図検査による心拍変動解析の研究を進めていき、正常対照群および1型糖尿病患者のデータを収集していくのと同時に終末糖化産物との関係を検討していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行により、1型糖尿病患者の終末糖化産物の測定が行えなかった。また、関連学会の中止およびWebのみの開催となったため、学会出張費が大幅に減少した。 以上より、予定使用金額に達しなかった。
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