2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K17107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 巧 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (60824836)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心臓マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓マクロファージの分化マーカーであるAregに着目し、Gpr65がAreg発現に関与することをこれまでに明らかにしている。Gpr65ノックアウトマウスの心臓マクロファージの分化度についてホールノックアウトマウスを 用いたフローサイトメトリー解析を行なったところ、Gpr65ノックアウトマウスでは新たな心臓マクロファージのマーカーとして考えられているTimd4の発現が低下している傾向があり、さらに炎症性マクロファージがGpr65ノックアウトで相対的に増加する傾向があることが明らかになった。分化度をsingle cell RNAシーケンスを用いて詳細に解析する予定である。 またGpr65ノックアウトマウスの骨髄細胞を用いた骨髄移植を行なったところ、骨髄移植を行なったマウスでは生存期間には影響はないが、心負荷のかかっていない定常状態にあっても、骨髄移植後2ヶ月で一定の心拡大傾向が認められた。追加実験で再現性について検討しており、より週齢の高いマウスを用いた骨髄移植を行い、生存期間および心機能を評価する予定としている。心不全モデルでの検討も予定している。 さらにGpr65のリガンドおよびこのリガンド産生に関与する遺伝子についても同定に成功しており、現在その遺伝子についてfloxマウスを用いた実験を計画している。floxマウスの作製は終了しており、実験に必要な匹数を得るために繁殖させている状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Gpr65ノックアウトが心臓マクロファージの分化成熟に影響することを明らかにしており、さらに既報のリガンド以外にGpr65のリガンドがあることを同定している。そのリガンドを産生するために必要な上流遺伝子も同定できており、現在この上流遺伝子についてfloxマウスを用いた実験を計画している。floxマウスの作製は完了しており、繁殖させている状態にある。数ヶ月以内にこのfloxマウスでの実験が可能になる 段階にある。 Gpr65に加えて、その上流遺伝子の発見によって心臓マクロファージの分化誘導に至る経路の一つが明らかになる可能性が高く非常に新規性が高く、想定していた以上の進捗が得られていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成中のfloxマウスとGpr65ノックアウトマウスについて心臓マクロファージの分画をフローサイトメトリーにて解析し、さらにRNAシーケンスおよびシング ルセル解析を行い、これらのノックアウトマウスにおける分化障害を評価する。 RNAシーケンスの結果から分化誘導に必須の転写因子を検討する。 さらにシグナル伝達経路についても検討する計画をしており、Gpr65の下流で心臓マクロファージへの分化に必須のnon-coding RNAおよび転写因子の同定を目指す。 具体的には現在既報のGpr65の下流で作用しているタンパクをウェスタンブロットで確認し、その下流で作用しうる転写因子群の中から、RNAシーケンスで候補に上がる分化誘導に関与する可能性の高い転写因子について、in vitroでのノックアウトでスクリーニングを行う。その後、心臓マクロファージの分化マーカー発現が抑制される転写因子についてin vivoでのノックアウトで評価する。non-coding RNAについてもRNAシーケンスの結果を元に、まずはin vitroでのスクリー ニングを行い、in vivoでのノックアウトにて評価することも検討している。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言等によって一時的に実験の制限などが生じた時期があり、その間実験を見合わせた影響もあり、マウスの週齢など合わせるために繁殖に期間が必要になるなどスケジュールに大幅な変更が生じたため。 今後Gpr65ノックアウトマウスの骨髄移植と、フローサイトメトリーによる解析およびsingle cell RNAシーケンスによる分化度の解析を予定しており、再現実験など含めて必要な試薬等に費用が必要になるため、次年度で費用を全て使用する予定としている。
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