2020 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症病態におけるHOX遺伝子の関与と治療応用の探索
Project/Area Number |
20K17114
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 昌弘 京都大学, 医学研究科, 医員 (80734524)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / HOX遺伝子 / Hippoシグナル / 血管平滑筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.肺高血圧モデルラットを用いたHoxa4の発現変化:一般的なラット肺高血圧モデルであるモノクロタリン投与モデルにおいて、肺でのHoxa4の発現変化をリアルタイムPCRにて確認した。肺高血圧肺ではこれまでの既報どおり、Yap/Tead標的遺伝子であるCtgfやTgfb1の発現上昇を認める一方、Hoxa4の発現は低下していた。 2.Hoxa4発現AAVベクターの作成:AAV9をベースに、Hoxa4発現AAVベクターの作成を行った。マウスHoxa4に対する抗体はnonspecificなsignalが強く検出されたため、Hoxa4の局在を免疫蛍光染色等で検出しやすいように、Hoxa4-EmGFPを融合タンパクとして発現するベクターを作成した。この融合タンパクにおいてもHoxa4単独投与と同様に細胞核へ移行し、またヒト大動脈血管平滑筋細胞へ導入するとGFP陽性細胞において著明な細胞増殖の抑制を認めた。さらに、HOXA4が導入されたヒト大動脈血管平滑筋細胞ではAktのリン酸化が減少しており、一方でHOXA4をノックダウンさせると、Aktのリン酸化が亢進していた。 3.Hoxa4発現AAVベクターのマウスへの投与:8週齢の雄マウスに18Gサーフロー針の外筒を気管内挿管し、作成したAAV-Hoxa4-EmGFPを投与し、2週間後と4週間後に肺を摘出して、RNA発現および免疫蛍光染色を確認した。 4.Hoxa4由来ポリペプチドの作製:Hoxa4のtruncated mutantを複数作成し、そのうちの120アミノ酸からなるタンパクをヒト血管平滑筋細胞へレンチウイルスを用いて発現させると、TEAD応答性ルシフェラーゼ活性が低下することを確認した。また、このtruncated mutantはYAP恒常活性体(YAP-5SA)によるヒト血管平滑筋細胞の増殖を抑制した。
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Research Products
(4 results)