2021 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈疾患患者の予後を光干渉断層画像から機械学習で予測する
Project/Area Number |
20K17117
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 大輔 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (30869970)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 機械学習 / 光干渉断層 / 石灰化プラーク |
Outline of Annual Research Achievements |
多枝病変例、高度石灰化を伴う症例、急性冠症候群のような複雑病変においては、経皮的冠動脈形成術後の予後の成績はよくない。Imaging guideによってそのような複雑病変の予後の改善が多くの場面で求められているが、統一した治療戦略というのはまだ決まっていない。 本研究ではOCT guide PCIを施行した患者において、OCTイメージング画像による、プラーク性状や病変性状、さらには、ステント留置後の状態、異常所見をAIによる機械学習、ディープラーニングにかけ、それらの診断能の向上、また、標的病変血行再建等の予後に係わる因子を発見することが第一の目的である。 その目的のために、大阪大学および大阪大学関連施設においてOCTを冠動脈イメージングとして使用したPCIを施行した症例約500症例以上を後ろ向きに登録し、そのPCI前後のOCTイメージングや患者情報を収集し、ディープランニングを使用して解析をすすめる研究を計画した。
現在画像を学習用データセットと分類器で学習させて学習済みモデルを作成している過程である。特に石灰化病変の予後が悪いことに着目し、まずは石灰化プラークの検出、厚みの測定や性状の解析を正確に施行できるモデルを作成している。石灰化病変の測定が可能になれば次に、どのような石灰化が予後につながるか検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在石灰化プラークの検出モデルを作成している段階であり、未だ臨床予後を予測しうるモデル作成までには至っていない。石灰化プラークの検出においては、成果が得られているが、元々の研究計画では初年度に臨床予後を予測しうるモデルを作成し、次年度にテスト用データセットで最終的な性能を評価する計画であり、研究計画としてはやや遅れている。原因としては、COVID19の流行に伴い、施設によってはエフォートを本研究に費やす時間が限られており、画像収集においても遅れていることもあげられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
石灰化検出モデルを作成した後、臨床予後の予測モデルを作成し、引き続きテスト用データセットで最終的な性能を評価する。臨床データとの相関および臨床データとの相加・相乗効果の検討本研究で作成する予測モデルに使用されるデータは臨床情報に紐付けされているため詳細な病歴(年齢、性別、身長・体重などの基本情報、心電図所見、心エコー図所見、血液検査所見)に関するデータが入手可能である。これらの臨床データと予測モデルとの相関をみることで、本予測モデルが臨床データのどのような特徴と関係しているのかを検討することでより詳細な解明につなげたいと考えている。さらに本予測モデルに臨床データを入力として与えることで、さらなる予測精度の向上を狙う。予測モデルを前向きに性能評価と本研究における社会的な意義上記にて作成された予測モデルを新規の冠動脈疾患症例に適応し、その予後を前向きに調査することで予測モデルの性能評価を行う予定である。また、OCTによって心血管予後の予測が可能であれば、より詳細,より正確な治療方針の決定が可能になり、またそれによって患者の心血管予後、生命予後の改善が期待できる。現時点までこのようなモデルは報告がなく、今後の医療の改善に繋がる可能性は高い。
|
Causes of Carryover |
石灰化検出モデルを作成した後、臨床予後の予測モデルを作成し、引き続きテスト用データセットで最終的な性能を評価する。臨床データとの相関および臨床データとの相加・相乗効果の検討本研究で作成する予測モデルに使用されるデータは臨床情報に紐付けされているため詳細な病歴(年齢、性別、身長・体重などの基本情報、心電図所見、心エコー図所見、血液検査所見)に関するデータが入手可能である。これらの臨床データと予測モデルとの相関をみることで、本予測モデルが臨床データのどのような特徴と関係しているのかを検討することでより詳細な解明につなげたいと考えている。さらに本予測モデルに臨床データを入力として与えることで、さらなる予測精度の向上を目指すことが目的である。現状コロナウイルスの流行により遅れており、来年にも研究を継続する必要がある。
|