2021 Fiscal Year Research-status Report
The monitoring of monocyte glucose metabolism for the prevention of atherosclerosis progression in diabetes
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20K17121
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松浦 祐之介 宮崎大学, 医学部, 助教 (40795853)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病性動脈硬化 / 免疫代謝連関 / 単球 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性動脈硬化症の病態解明に向けて、多層的に研究を遂行した。ストレプトゾシン誘発糖尿病マウスと非糖尿病マウスから、チオグリコレート腹腔内投与4日後に腹腔細胞を回収し、磁気ビーズによる単離/選別マクロファージを用いて解析を行った。結果、非糖尿病マウスと比較して、糖尿病マウスのマクロファージにおいて、グルコース取り込みの減少と解糖機能及びミトコンドリア機能の低下、GLUT-1発現の低下が確認された。次に、GLUT-1ヘテロ欠損マウスモデルを用いた検証にて、糖尿病におけるマクロファージの代謝への影響はGLUT-1の低下では説明出来ない事が示唆された。さらに、プロテオミクス解析を行い、糖尿病マウスからのマクロファージにおける蛋白発現の特徴を明らかにした。最後に、糖尿病マウスにおいてインスリン投与またはSGLT-2阻害薬投与後にマクロファージの代謝解析を施行した。結果、マクロファージの代謝に対する糖尿病の影響は、高血糖によるものではなく、インスリン欠乏による影響である事が示唆された。これらの検証結果は、Circulation Research誌に収載された。 また、我々はインスリンシグナリングと関係性の深いmTOR経路と血管代謝及び血栓性の関連について、家兎動脈硬化ステント留置モデル及び培養細胞を用いたin vitro解析にて検証を行った。結果、エベロリムス(mTOR阻害剤)溶出性ステント留置血管において、ベアメタルステント留置血管と比べ、平滑筋細胞の浸潤抑制、組織因子発現の低下、グルタミンを含むアミノ酸代謝産物の増加を確認した。次に、培養平滑筋細胞を用いたエベロリムス添加実験において、細胞内グルタミンの増加、組織因子発現の抑制、細胞の凝固活性の低下を認めた。これらの検証結果は、Atherosclerosis誌に収載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も、新型コロナウイルス感染症による診療及び研究への影響があったが、おおむね順調に経過している。既に、臨床研究開始の承認を得ており、フローサイトメトリーに関するワークフローの至適化が済み次第、患者登録を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
循環器疾患またはその疑いにてカテーテル検査施行患者の臨床血液検体を用いて、フローサイトメトリーを用いた単球の糖代謝解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進行はおおむね順調であるが、新型コロナ感染により診療・研究の進行が部分的に遅延したため。
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Research Products
(2 results)