2020 Fiscal Year Research-status Report
腸上皮バリア機能の制御による心不全の新たな治療開発
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20K17141
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加茂 亜希子 (嵯峨) 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (70867770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸上皮バリア / 抗菌ペプチド / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な心疾患の最終的な病態である心不全の患者数は世界的にみても近年急速に増加傾向にあり、さらなる病態解明および新たな治療、つまり心筋のみを標的とした研究だけではなく心臓と他臓器との臓器連関ネットワークを基にした新たな治療戦略が求められてきている。 心不全と腸の関連については虚血とうっ血が原因の腸上皮障害による吸収障害とバリア破綻が主に議論され、腸上皮バリア破綻が生じると循環血中に腸内細菌由来のエンドトキシンが増えることで炎症反応が活性化され、心不全がさらに増悪するのではないかと考えられてきた。しかしこれまで心不全の病態における腸上皮バリア破綻の詳細は殆ど明らかにされていなかった。それに対し本研究では心不全モデルマウスを用いて心不全の病態における腸上皮機能の解析を行い、腸上皮バリアの破綻の詳細を明らかにしつつある。心不全モデルマウスの腸上皮において絨毛や陰窩の萎縮および杯細胞数の減少といった組織学的変化に加え、一部の抗菌ペプチドの発現量が減少するなどの腸上皮バリア破綻を確認することができ、さらには摂食内容物の変化によって腸上皮バリア機能が改善することも一部確認することができた。 今後は腸上皮バリア機能を改善することが心不全へどのような影響を与えるかについて検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心不全モデルにおける腸上皮バリア機能の破綻に関して抗菌ペプチドの関与を明らかにしつつあるとともに、摂食内容物の変化によって腸上皮バリア機能が改善することも一部確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
腸上皮バリア機能を改善することが心不全へどのような影響を与えるかについて検証する。
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Causes of Carryover |
政府の緊急事態宣言および東京都の緊急事態措置案を受け、新型コロナウィルス感染拡大防止として東京大学において活動制限が一時期厳格化された。そのため2020年度の研究活動の一部を来年度に行う方針とし、2020年度の研究費の一部を2021年度分として使用する予定である。
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