2020 Fiscal Year Research-status Report
リアノジン受容体チャネル変異陽性QT延長症候群の診断と発症メカニズムに関する研究
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20K17146
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤居 祐介 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10837868)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | QT延長 / RYR2変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
ステップ(1)QT延長パターンの類型化に関して:RYR2変異陽性患者におけるQT延長の比率は、我々の当初の想定よりかなり少なく、そのT波の形状に関しての評価は一通り終了した。T波の形状はかなりバリエーションに富んでおり、一概にQT延長症候群のどの型に類似しているとのパターン化は難しいと判断している。現在RYR2変異陽性QT延長に独自のパターン分けを検討しているところであるが、症例数がそこまで多くないため、あまり分類を多くしすぎると各グループの症例数が数例になってしまうため、困難な状況である。引き続き症例数の増加を待ちながら、新たな分類の評価を進める。 ステップ(2)QT延長関連遺伝子のSNV解析:ターゲットジーンのパネルシークエンスの結果得られたLQT関連遺伝子上のSNVとRYR2変異キャリアとの間には、現在までのところ明らかな相関関係を見出すことはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年の中頃からコロナ渦が発生し、臨床業務の比重が増加したため解析の進捗に悪影響が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、変異RyR2の構造的・機能的解析を進めていく予定である。QT延長を来すRYR2変異と、QT延長を生じ ないRYR2変異をRyR2の3Dモデル上に配置し、その構造的な特徴を比較検討する。特に、QT延長症候群と関連の深いカルモジュリンとRYR2の結合部位について、QT延長をきたす変異が特に多く分布している可能性について検討を行なっていく。 有力な変異については随時機能解析を加えていく方針である。
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