2022 Fiscal Year Annual Research Report
重症虚血肢に対する細胞シート技術を応用した細胞塊注入法の再生治療効果の検討
Project/Area Number |
20K17150
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三宅 啓介 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (60774495)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 再生治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
現状有効な治療法のない虚血性疾患に対しては、再生医療の役割が期待されてきた。一方で、高度の虚血炎症環境においては、再生治療効果をもたらすことが期待される投与物質の生着率が低いことが再生治療効果を制限することが問題となってきた。本研究では、高度の虚血炎症環境においても投与細胞の生着率を改善することにより、再生治療効果を向上させうるとの仮説のもと研究を行ったきた。 本研究では、細胞同士が連結していない、単体の状態で投与した場合には早期にアポトーシスを起こすことにより細胞が生存できない一方で、細胞同士を細胞外マトリックスによって連結した細胞集団として投与することによって、細胞間でのシグナルの伝達が可能となることで、アポトーシスが生じにくくなり、虚血炎症環境においても、投与細胞が細胞単体投与時に比べて長期間生存することが明らかとなった。 細胞集塊として投与した細胞は、虚血炎症環境にとどまることによって、炎症環境を組織修復に適切な状態に制御し、結果的に血管新生、骨格筋再生効果をもたらすことが明らかとなった。 本研究では、細胞再生医療を虚血領域に直接投与する場合には、細胞単体投与はほとんど効果がなく、投与方法を改良し、細胞生着率を高める方法を用いなければ、十分な治療効果をもたらすことが難しいが、生着率を高める方法を用いれば、再生治療効果をもたらしうることが明らかとなった。本研究は、実臨床での応用が期待される手法であり、今後、臨床試験に向けた手続きを取り組んでいく予定である。
|
Research Products
(3 results)