2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K17152
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
江本 拓央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80855023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞は、骨髄中の様々な周囲細胞(ニッチ)に分化と増殖が制御されている。動脈硬化の発生や増悪に重要な単球とその前駆細胞も骨髄中でニッチに囲まれ、制御されていることが研究代表者の研究で明らかになった(Immunity. 2022 May 10;55(5):862-878.e8. )。動脈硬化モデルマウス(マウスLDLRノックアウト)では、骨髄中、血液中で単球の増加が認められるが、その機能的な違いについては分かっていなかった。そこで動脈硬化特異的な骨髄のニッチ細胞の構成、動脈硬化特異的な単球が存在する可能性を想定した。 1、Flow cytometryの解析で単球の数は増えていたが、骨髄中、血液中の単球のシングルセル解析で得られたUMAPでは、単球の新たな細胞集団の出現や遺伝子発現には変化がなかった。次に単球の数が増える原因としてニッチからのサイトカイン産生についても想定されたため、ニッチ細胞のシングルセル解析でニッチ細胞の構成、そしてそれぞれの細胞集団について、単球造血に関わる、サイトカインの差を解析したが、差を認めなかった。 2、また、この単球の増加は抗生剤で腸内細菌をdepletionすることでキャンセルできることを発見したので、ニッチ細胞の変化ではなく、動脈硬化モデルマウスによる単球の増加は、ニッチ細胞の変化ではなく、なんらか腸内細菌髄液中の液性因子の変化や単球のepigeneticsな変化により制御されている可能性を想定している。
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Research Products
(1 results)