2021 Fiscal Year Research-status Report
Association between non-alcoholic fatty liver diseases related genetic polymorphism, lipid metabolism, and atherosclerosis
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20K17155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池崎 裕昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70838482)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 動脈硬化症 / 非アルコール性脂肪肝 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は既存の血液試料を用い、非アルコール性脂肪肝/脂肪肝炎に関連する4遺伝子(PNPLA3、TM6SF2、GCKR、NCAN)の多型が、動脈硬化症および脂質代謝に与える影響を検討することを目的としている。2020年度にベースライン時50歳未満で、動脈硬化症に影響を及ぼす高血圧症、糖尿病、脂質異常症のない集団(テーマ1)を対象に上記4遺伝子多型を測定し、359名で遺伝子多型の評価が可能であった。各遺伝子多型は、PNPLA3がCC/CG/GG:106/178/75、TM6SF2がCC/CT/TT:297/57/5、GCKRがCC/CT/TT:83/181/95、NCANがCC/CT/TT:329/30/0であった。動脈硬化症の評価は5年間の頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)の変化で行った。脂質異常症については、ベースライン時のHDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、small dense LDLコレステロール、LDL-TG、レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)、トリグリセライドリッチリポ蛋白コレステロール(TRL-C)、リポ蛋白(a)、アディポネクチンとの相関について評価した。 5年間の頸動脈IMT厚の肥厚に対しては、PNPLA3、TM6SF2、GCKR、NCANのいずれの多型も有意な相関を認めなかった。脂質異常症に対しては、TM6SF2のTTアレルがCCおよびCTアレルに対して、有意にHDLコレステロール低値、small dense LDLコレステロール高値の傾向を示した。しかし、TM6SF2のTTアレルは5名(1.4%)しか分布しておらず、解釈には注意が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染症の流行により勤務体制が制限された時期があり、予定していた試料の測定が遅れ、2021年度も予定の試料の測定が年度末に完了した。解析については試料の測定結果の遅れに伴い開始が遅れているが、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は高血圧症、糖尿病、脂質異常症のない、ベースライン時50歳以上の集団(テーマ2)についても4遺伝子多型の測定を行い、762名で遺伝子多型の評価が可能であった。2022年度はテーマ3である、動脈硬化症のリスク因子である高血圧症、糖尿病、脂質異常症を有した対象者についての遺伝子多型の測定を行う。テーマ2についてはテーマ1と同様の解析、およびテーマ1とテーマ2を統合したコホートでの解析を進めていく。また、動脈硬化症の指標として頸動脈IMT肥厚の変化で評価を行ったが、テーマ1では有意な相関が認められなかった。動脈硬化症の指標として、頸動脈壁のプラーク形成についても検討を追加していく予定としている。
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